第二章
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暇があればキャンプ場があった山に行ってマックスを探し見付かったという連絡が来るのを待った、そうしてだった。
一月半程してだ、家に連絡が来て妻は夫に言った。
「保健所にね」
「マックスがいるんだな」
「ええ、今日のお昼連絡が来たの」
会社から帰って来た夫に話した。
「今朝保護されたって」
「そうなのか」
「街をうろうろしていて」
それでというのだ。
「保護されたらしいのよ」
「そうか、よかったな」
夫はその話を聞いてほっと胸を撫で下ろした。
「それは」
「本当にね、それでね」
「ああ、今すぐにだな」
「まだ保健所やってるから」
だからだというのだ。
「仁一も連れてね」
「そうして行くか」
こう話してだった。
二人は息子と共に保健所まで車で向かった、急ぎたい気持ちを交通ルールで必死で抑えながらそうした。
そして保健所に着くと職員の人にマックスのことを聞いた、そして彼がいるところに行くとだった。
「マックス!」
「ワン!ワン!ワン!」
茶色の毛の小さな柴犬が仁一に向かって鳴き声をあげた、そしてだった。
仁一は彼を抱き締めてそうしてマックスに言った。
「探したんだよ!」
「クゥ〜〜ン・・・・・・」
「見付かってよかったよ」
「あの、この子は何処にいたんですか?」
母が職員の人にマックスが何処で見付かったのかを尋ねた。
「一体」
「はい、街を彷徨っていまして」
「そこで、ですか」
「私達が保護しました」
「そうだったんですか」
「その街ですが」
職員が話した街の名前を聞くと母も父も言った。
「あの山のすぐ傍ね」
「ああ、キャンプ地のな」
「やっぱりあそこではぐれて」
「ずっと山にいたみたいだな」
「首輪に連絡先が書いてあったので」
職員の人はさらに話した。
「そちらに連絡させてもらいました」
「そうですよね」
「首輪に書いてあってよかったです」
「そうです、首輪に書いてもらえると」
「それで、ですね」
「すぐにわかりますね」
「よかったです」
夫婦に微笑んで話した。
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