アイングラッド編
紅き剣閃編
Triumphant Return―凱旋
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いる。
「偵察隊が、全滅――!?」
状況を説明された2人は揃って驚愕した。
ヒースクリフは頷くと話を続ける。
「昨日のことだ。75層迷宮区のマッピング自体は、時間は掛かったがなんとか犠牲者を出さずに終了した。だがボス戦ではかなりの苦戦が予想された……」
「……クウォーターポイント」
俺の言葉にヒースクリフが無言で頷く。
25層では軍が半壊
50層では戦線が崩壊し、全滅の憂き目があった。
キリトもその時のことを思い出しているのだろう。
こっちを見て微笑をしている。
目を逸らすと、ヒースクリフも……。
「……ってアンタもだろうが《神聖剣》」
「……私も驚いたものだよ。あの連続攻撃を体捌きだけで回避してのける者が居たときは」
「あっそ……」
強敵を前にやや砕けた空気になったが、次の言葉は俺をも驚かす言葉だった。
「偵察隊は、《血盟騎士団》、《オラトリオ・オーケストラ》、《聖竜連合》を含む5ギルド合同の20人、その内10人がボス部屋に入ったのだが、ボスが出現した後に扉が閉じ、次に開いた時には……」
「10人も……。何でそんなことに……」
「……何てことだ……まさか」
「結晶無効化空間……?」
俺達の問いにヒースクリフは重々しく頷き、これからのボス戦もそうであろうと予想した。
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部屋にキリトとアスナを残し、俺とヒースクリフは連れだってギルド内部を歩いていた。
「参ったねこりゃ……」
「まったくだ」
奴にもいつもの覇気が無いのは気のせいか。
「時にレイ君」
「んあ?」
「君はアスナ君に興味を抱いていたと思ったが……違ったかな?」
「…………は?」
「いや、特に下心があるわけでははない。ただ、君が嫉妬したりしてないかと思ってね」
「……あのな、アンタ、勘違いしてるぜ?」
「ほう?」
「確かに、興味はあった。アスナの『心』の強さにはな」
立ち止まり、大きな窓から見える空を見つめる。
「アスナだけじゃない。キリト、クライン、カイト、ホルン、ユウリ、アード、リオ、ロイド……あいつらは皆何かを求めてここに来た。『ゲームであって、遊びではない』ものを探しに来たんだと思う。そして、今なおそれを追い求めているからこそ強い。だが、俺はその根源が知りたいんだ。命を賭けてなお、理想の極致を求める強さの、な」
「……………」
ヒースクリフは黙ったままこちらを見
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