暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第29話:三つ巴の争奪戦・その1
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
的の薬品工場からは離れた所で止まることになってしまったが、死んでしまっては元も子もないのだから致し方ない。

 横転する直前飛び下りた奏は車に駆け寄ると、シンフォギアで強化されたパワーでロック毎扉を引き剥がして2人の安否を確認した。

「響、了子さん!? 2人とも大丈夫か!?」
「な、何とかね……」
「私も、大丈夫で〜す」

 横転したせいで上下逆さまになってはいたが、幸いな事に2人に大きな怪我は見られない。その事に奏と颯人は安堵するが、安心してばかりもいられない。

 響と了子の安全を確認し引っ張り出した直後、彼らの周りをメイジが取り囲んだのだ。

 メデューサは勿論、途中で叩き落した筈のメイジも戦線復帰したのか、最初に襲撃を仕掛けてきたメイジが全員揃っている。

 総勢11人のメイジに囲まれた颯人達。奏と颯人は了子と響を守るようにしながらも表情を険しくしている。
 尤も颯人は仮面で表情が隠れてしまっているが。

 そんな彼らに、メデューサが既に勝利を確信したような声で話し掛けた。

「残念だったな、ウィザード。命が惜しくば、その聖遺物をこちらに渡せ」
「俺が自分の命惜しさに、んなことする奴だと思ってんのか?」
「いや、全く…………だが他の者の命が関わるとなればどうだ?」

 言外に、奏達の事を人質にとるようなことを告げるメデューサを、颯人は仮面の奥から睨みつけた。だが悔しい事に、彼が何かをする前にメデューサ達が動く方が早い。
 その場合颯人と奏はともかく、まだシンフォギアを纏っていない響と生身の了子に被害が及ぶ。

 万事休す…………そう思いながらも何かできる事は無いかと颯人が考えを巡らせた、その時である。

「ちょせぇっ!!」
[NIRVANA GEDON]

 突如何処からか放たれたエネルギー球が、彼らを包囲するメイジの輪の一画を吹き飛ばした。

 それと同時にあちらこちらに緑色の光が降り注ぎノイズが出現する。

「何ッ!?」
「これは――――!?」
「奏、今だッ!!」
「ッ!? 響ッ!!」
「え? あ、はいッ!」

 予想外の事態にメデューサの意識が颯人達から離れる。

 その瞬間を見逃す颯人ではなく、奏に声を掛けながらメデューサに攻撃を仕掛けた。
 奏は奏で、響にシンフォギアを纏わせ了子を守らせつつ自分も手近な所に居るメイジに飛び掛かる。

「Balwisyall nescell gungnir tron」

「えぇい!? ケースを奪えッ! その女は殺しても構わんッ!!」
「んなこと気にしてる暇があんのかッ!!」
「ちっ!?」

 浮足立つメイジに指示を出しながら、自身は颯人からの攻撃に備えるメデューサ。

 その一方で、奏には複数のメイジ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ