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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第29話:三つ巴の争奪戦・その1
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そ、心理的に敵の行動を縛るんだ!」
だがそれは敵対しているジェネシスにも同じことだった。連中からすれば奪取を目論む聖遺物――そもそも何故連中がデュランダルを欲するのかは謎だが――を、自分たちの手で破壊しかねない真似は出来なかった。
それを避ける為には、連中も攻め手を緩めるしかなくなる。彼はそれを狙ったのだ。
『勝算は?』
「思い付きを数字で語れるものかよッ!!」
了子と弦十郎のやり取りは当然颯人にも聞こえていた。
彼の言葉を聞き、仮面の奥で颯人は堪らず噴出してしまった。彼の策は最早博打にも等しいものだったが、だからこそ滾るものがある。
──いいねぇ、そうこなくっちゃ!──
弦十郎の危険な策に、颯人の心に気合いが入る。颯人は決してギャンブラーではないが、迫る困難に心を燃え上がらせる性質なのだ。
とその時、了子の車の前に新たなメイジがライドスクレイパーに乗って舞い降りた。
他のと違い跨るのではなく優雅に横座りしている。
だが問題なのはそこではない。そのメイジの仮面は紫色だった。それはつまり、そいつが他のとは違う幹部クラスと言う事。
そして颯人は、その魔法使いの事をよく知っていた。
「フフッ!」
〈アロー、ナーウ〉
「ッ!? 避けろッ!!」
颯人が警告するも間に合わず、突如現れたメイジ・メデューサの放つ魔法の矢が真っ直ぐ運転席の了子に向け飛んでいく。ハンドルを切って回避するのは間に合わない。
あわやと言うところで、奏がアームドギアで了子に迫る魔法の矢を受け止めた。
だが他のメイジのとは違う、重い一発に思わず呻き声を上げる。
「ぐっ!?」
「ありがと奏ちゃん、でも前が――」
奏の行動は確かに了子を救いはしたが、それは同時に了子の視界を塞ぐ行動でもあった。この瞬間、了子にはメデューサの次の行動を見る事が出来ない。
その隙をメデューサは見逃さなかった。
了子の回避が間に合わなくなったこのタイミングで、今度は右の前輪を狙って魔法の矢を放つ。
メデューサの動きが見えない了子にはそれを回避することは出来ず、また先の一撃で動きが硬直している奏はそれを防ぐ事が出来なかった。
結果、前輪を破壊された了子の車は制御を失い横転してしまう。
「きゃぁぁぁっ!?」
「うわぁぁぁぁっ!」
「くっ!?」
奏はその際飛び下りる事で難を逃れたが、響と了子はそうはいかない。このままでは横転しながら工場に突っ込み、最悪薬品タンクか何かにぶつかって諸共吹き飛んでしまう。
「させるかっ!」
〈バインド、プリーズ〉
このままでは不味いと、颯人は魔法で鎖を伸ばし2人が乗ったままの車を何とか停止させる。
お陰で目
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