第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第17話 十六夜再び:後編
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の物のようであった。
それを持ち、依姫は勢いよく横に振り抜いた。そして咲夜の持つガラスの剣に直撃したのだ。
「くぅっ……」
そこから強烈な衝撃が走り、呻き声をあげて咲夜は後ろに押し戻される。
「続いてもう一回!」
更に依姫は大鎌を頭上に高らかにかざすと、それを祇園様から借りた力に任せて思い切り振り下ろしたのだった。
「!!」
この攻撃を咲夜はもろに受けてしまったのだ。そして再び吹き飛ばされる。
そして咲夜は地面に倒れた。それに続いて彼女の手から離れたガラスの剣は彼女の強化の恩恵から外れて粉々に砕けてしまったのだった。
咲夜の髪は目を引く金髪から、何時もの銀髪へと戻ってしまった。
その様子を見ながら、依姫は咲夜に問う。
「どうしますか、まだ続けますか?」
それを聞きながら倒れていた咲夜はむくりと起き上がった。
「いいえ、今回もあなたの勝ちですよ」
清々しくも映る表情で咲夜は言ってのけた。
彼女とて今度こそ勝とうと意気込み本気になったのだ。それを破られて悔しさが当然あるが、それ以上にどこか気分が良いのであった。
「今回『は』でしょう?」
「神経質なんですね、あなた」
執着する依姫を咲夜はやや呆れながらたしなめた。
「兎に角、あなたの勝ちなんですから、胸を張りなさい」
「ええ、そうさせてもらうわ」
そう、咲夜の言うように今度こそ自分は勝ったのだ。胸の内からこみ上げてくる熱く心地よい感覚を依姫は噛み締め始めるのだった。
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