第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第17話 十六夜再び:後編
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から只ならぬオーラのようなものが発せられ始めた。そして彼女は今まで見せた事のない、とっておきのスペルカードを取り出し、宣言する。
「【限符「シンデレラマジック」】!」
これを聞いた紅魔館の住人達も驚く。
「咲夜さんのスペルカードにそんなのあったっけ?」
「いいえ、ないわ」
等という言葉が辺りに飛び交った。
そして、主たるレミリアとて驚きを隠せないでいた。
「咲夜がそんなスペルを持っていたとはね」
だが、それもつかの間の事。レミリアにはいつもの余裕の表情が湛えられていた。
「これは楽しくなりそうね。咲夜、頑張りなさい」
そして、自分の右腕たる咲夜を労う言葉を掛けた。
だが、それがいけなかった。
「はいっ、お嬢さばぁ〜〜〜〜〜っ!!」
願ってもない敬愛する主からの声援を貰えて、あろう事かそこで盛大に鼻血を噴出してしまったのだった。
「うわっ!?」
これには普段冷静な依姫もたじろいでしまった。
「貴方、そんなキャラだったのね……はい、ティッシュ」
依姫は偶然持ち合わせていたポケットティッシュを咲夜に渡しながら突っ込みを入れた。
「ありがとう。……まあこれが本来の私の性分ですね」
月では余裕がなかったから本性は出せないでいたと、咲夜は付け加えた。
「つまり、今は本来の貴方のペースって事ね。それは期待出来そうね」
咲夜の言葉を聞いた依姫は心躍らせながら返した。これでこの勝負をより楽しめると。
「そう余裕を見せていられるのも、今の内ですよ」
そう咲夜が言うと、彼女から眩い光が発せられた。
「何が起こるのかしら?」
依姫はニヤリと笑みを浮かべながら、それを見守った。
そして光は止むと、そこには目を引く光景があったのだ。
その咲夜の姿はいつもの丈の短いメイド服である事に変わりはなかった。
だが、彼女の髪は普段の銀髪から、眩い金髪へと変貌していたのだ。
それだけではなく、彼女の手には普段使い慣れた銀のナイフではなく、半透明に輝くガラス細工の剣のような物が握られていたのだった。
「……随分イメージが変わったわね」
驚きながらも依姫はそう指摘する。
「変わったのは見た目だけではありませんわ」
言いながら咲夜は、勢いよく足を踏み込むと依姫目掛けて飛び掛かってきたのだ。
「速いっ!?」
依姫は思わずそう叫ぶ。咲夜の動きは今までに見た事もない程俊敏になっていたのだから。
そして咲夜は剣を依姫目掛けて振りかざした。だが、依姫とてそう易々と攻撃を許しはしなかった。咲夜の剣撃に合わせて依姫も刀を抜く。
それにより刃と刃がぶつかり合って、激しい金切り音と火花が巻き起こったのだ。
「貴方自身だけではなくて、その剣もどうなっているのかしら? そんなガラス細工の剣のどこにここまで強
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