第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第17話 十六夜再び:後編
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で掛かってきなさい」
そう依姫は咲夜に余裕を見せながら提案する。だが、ここからは依姫にとっても気を抜けない展開となるのだ。
「ではこれは攻略出来ますか? 【時符「プライベートスクウェア」】!」
「……」
遂にこの時が来た。咲夜の横に時計の形の紋章が現れると──咲夜以外の者の時間が止まったのだった。
◇ ◇ ◇
「ようこそ、私の世界へ」
咲夜はそう呟くが、当然その言葉を聞く者はこの場にいなかった。
そして、咲夜はありったけのナイフを時間の止まった依姫目掛けて投げ付けたのだ。
「チェックメイトね」
続いて、咲夜は止まった時間を再起動させる。
すると、止まった世界で宙に静止していたナイフも動きだし、一斉に依姫へ向かって飛び掛かっていった。
ナイフの群れが次々と依姫に刺さっていった。
「依姫さん!」
その光景に、いてもたってもいられなくなって勇美が叫んだ。
「さすがのあなたの師匠もこれまでだったようね」
「くぅ……」
咲夜にそう言い切られ、勇美は言葉を詰まらせるしかなかった。だが……。
「それはどうかしらね?」
それは今しがたナイフの餌食となったと思われた依姫の声であった。いつの間にか、咲夜の背後を取っていたのだった。
「何ですって!?」
当然咲夜は驚愕する。確かに止まった時の中でナイフを設置して、容易に逃れられなくした筈であったのだ。
「これはどういう事ですか?」
「それは簡単な事よ」
咲夜に聞かれて依姫は説明をし始める。
「神にも時を操る者が存在するのよ」
そう言い放つ依姫の背後には、神の姿が浮かび上がっていた。
その姿は片方の手に砂時計、もう片方の手に大鎌を持った老人。
「『クロノス』、時を司る神よ。神降ろしでは貴方のように自在に時を操るまではいかないけど」
一瞬の攻撃を回避するには十分な力を発揮出来ると、依姫は付け加えた。
「!!」
これには咲夜は意表を突かれてしまった。
──時間を操れる者は自分一人だと高を括っていたのだ。今までそのような者と対峙した事がなかったのだから。
故に慢心してしまっていた。それで今回依姫に戦う前に能力を教える余裕まで見せてしまったのである。
(私の能力を教えたのは失敗でしたわね……)
そう心の中で愚痴る咲夜。その事が依姫に対策を取られる事を許す羽目になったからである。
だが、彼女はすぐにその考えを否定する。
(これは私が正しいと思ってやった事。だから後悔はない!)
そう意気込み、咲夜は次の手に移ろうとする。
「私の持ち味は時間を操るだけとは思わない事ですわ」
「!」
この咲夜の言葉を聞いて依姫は身構えた。咲夜の発する気迫から、決して強がりやハッタリではない事を察する事が出来たからだ。
そして咲夜
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