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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第17話 十六夜再び:後編
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「【幻在「クロックコープス」】!」
 咲夜の四回目のスペル宣言が行われる。そして彼女はナイフを取り出すと、上空のあらぬ方向へそれを投げ放ったのだ。
「どこを狙っているのかしら?」
 依姫は挑発的にそう言いながらも、警戒は怠らない。
 そして、上空からはキラキラ光る粒のようなものが降り注いできたのだ。
「雪、ですか?」
 それを初めて見る勇美はそう呟く。だが、当然それは違う事はすぐに分かるのであった。
 その粒が地面に落ちると、まるで爆竹のように次々と爆ぜていったからだ。
「クロックは『時』で、コープスは『死骸』。すなわちこれは時の死骸ですわ」
 咲夜はそう説明を始める。
「でも、それだとこれが何だか分からないわ」
 当然の疑問を依姫はぶつけた。
「これは失礼しました。要するこれは、時間というエネルギーに傷をつけて切り出した残骸ですわ」
「成る程」
 まだ未知の領域の話であるが、要点はある程度理解した依姫。そして新たな結論を紡ぎだすのだった。
「つまり、これはエネルギー体だから、金属という物質にしか影響しない金山彦命の力は通用しないという事ね」
「ご名答ですわ」
 さらっと咲夜は応えた。
「これまた厄介な」
 依姫は愚痴るようにそう漏らした。
「……なんてね」
 だが、すぐに先程の咲夜のように歪な笑みを見せたのだ。
「どういうつもりですか? 空威張りなら無駄ですからやめて下さいませんか」
 そう咲夜は返すものの、背筋には嫌な汗が張り付いていたのだった。
「貴方、金山彦命の力が分解や攻撃のためだけにあると思ってはいませんか?」
「どういう……?」
 どういう事と咲夜が宣言する前に、依姫はスペル宣言をしたのだ。
「【装甲「金属再興」】!」
 その宣言により、依姫の目の前に徐々に何かが集まっていったのだ。
「それは……、先程の私のナイフの!?」
 咲夜はそれを知ると驚愕した。そう、今依姫の前に集まっているのは分解した咲夜のナイフを構成していた銀であったのだから。
 そして次々に銀の塵が集まり形成されていったのは、大きな盾であった。
 それを依姫は手に持ち、やや上空に向けて掲げて身構えた。
「成る程、それでクロックコープスを」
「その通りよ」
 依姫はそう返しながら、クロックコープスの襲来に備えたのだ。
 すると、依姫に着弾すると次々に派手に爆発を起こしていった。
 だが、彼女には銀の盾が備わっている。それにより機雷をばら蒔いたかのような猛攻も防がれていったのであった。
 そして爆撃は全て盾に受け止められたのだ。
「やりますね」
 この結果には、さすがの咲夜も唖然としてしまった。だが、彼女には秘策がある。
「どうやら出し惜しみなく、本気でいかないといけないみたいですね」
「そうよ、全力
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