第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
稗田阿求と始まったクイズと弾幕ごっこを融合させた風変わりな勝負。第一問目は勇美の正解により快調な滑り出しを見せていた。
「そうですか、では第二問。『紅魔館の吸血鬼、レミリア・スカーレットの弱点は次の内どれでしょう?』」
「レミリアさんを呼び捨てですか?」
すかさず違和感を察した勇美は突っ込みを入れておいた。
「まあ、これはクイズですから。クイズで敬称を使うのはおかしいでしょう?」
だが、阿求も負けじと返した。
「確かに、クイズでそれは余り馴染みがないですね」
これには勇美も納得する所であった。現に外の世界でのクイズ番組等では、人名に敬称を付ける事は少ないと思い返すのであった。
「納得してもらえた所で、続き……いいでしょうか?」
「はい、すみませんね。手間取らせてしまって」
阿求に対して勇美がそう返すと、例によって阿求の体から再び文字となるべく霊気が滲み出たのだ。
するとその文字は次の二つであった。
『十字架』『流れる水』
それに続いて、阿求の体から弾幕がばら撒かれた。
避けながら依姫は勇美に問いかける。
「勇美、答え分かるかしら?」
依姫は一度月で当のレミリアとやり合っているのだ。その時は天照大神の『太陽の光』を使ったから、二つの答えにはないものである。
だが、裏を返せば『レミリアの弱点』が分かっていた証拠である。だから依姫に掛かればこの問題の答えも出せるというものだ。
「はい、任せて下さい」
だが、勇美は自信ありげに言ってのけたのだ。そして答えに銃口を向け、発射した。
選択肢の霊気の一つが貫かれて雲散する。そして残っていたのは、『十字架』であった。つまり……。
「『流れる水』ですね」
阿求はそう呟くと、彼女の周りの弾幕は消滅した。
「正解です!」
阿求は拍手をしながら勇美を労った。
「見事よ、勇美」
依姫も勇美の奮闘を称える。
「えへへ」
勇美は照れ笑いを浮かべた。
「何故十字架ではないと分かったのかしら?」
十字架と言えば、吸血鬼の弱点としてポピュラーな要素の一つである。何故それだと思わなかったのか依姫は疑問に思ったのだった。
「これも慧音さんから教わったんですよ。吸血鬼が十字架を苦手とするのは、生前にキリスト教徒だった者に対して罪悪の念を呼び起こさせるからだって。そしてレミリアさんは死者から生まれた吸血鬼ではないからこれには当て嵌まらないって」
第一レミリアは『不夜城レッド』といったように十字架を模した弾幕すら使うし、と勇美は付け加えた。
「勉強熱心ね、感心するわ」
そんな勇美の振る舞いを見て、依姫は思わず口角が緩むのであった。
「それではその勢いに乗って第三問目、行ってもらいましょうか?」
阿求がポーズを取り、またもや霊気を放ち始めた。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ