第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら、慧音さんのいる所ではやりたくなかったのですよ。で、いつ頃から気付いていました?」
「彼女に会った時からです。これでも私は神の力を借りれる身。その事もあって彼女が人とハクタクのハーフである『ワーハクタク』だとはすぐに分かりましたよ」
「さすがですね」
阿求はただただ恐れいったといった感じに感心するしかなかった。
「この事は人里の者達にはくれぐれも言及しないで下さいね」
「分かっています」
当然そうでなければいけないだろうと依姫は納得した。
──人は自分達より秀でた者や異質な者は排除しなければ気が済まない性質なのだ。それが群れを守る本能なのだ。
慧音がワーハクタクだと知られたら迫害される可能性が高いのは手に取るように依姫は分かるのだった。
自分も努力の末、神降ろしという強大な力を使えるようになったが、その代償として人々から軽蔑にも近い目で見られるようになったのだ。それにより以前『住吉三神の力を借りてよからぬ事をしようとしている』と濡れ衣を着せられた事の一因となったのである。
「それと、もし迷惑でなければ小話させてもらっていいですか?」
「ええ、程々ならね」
「ありがとうございます」
そのやり取りに続いて、阿求は話始めた。
「この勝負の前に私が転生をしている事は話ましたよね?」
「ええ」
「最初は心細かったんですよ。生まれ変わったら自分の知り合いがいない訳ですから」
「そうなのでしょうね」
依姫は相槌を打つ。無限の時を生きる自分には完全には理解出来ない事であるが、自分の知る者がいなくなるという事実は苦痛でないはずがないというのだけは想像出来る事なのであった。
「でも、慧音さんのお陰でその問題も解消したんですよ」
「あー、成る程」
阿求の今の発言を聞いて、勇美は合点がいったようだ。
「阿求さんの言ってた『妖怪の友達が出来たから、もう転生は寂しくない』ってのは慧音さんの事だったんですね」
「そういう事です」
この事を聞いたら慧音は嬉しくなるだろう。村人に隠している、自分がワーハクタクである事。これは、彼女を苦しめている事情と言えるだろう。
だが、こうして阿求に対しては彼女の妖怪故の長寿が役に立っているのである。それを慧音が知れば、僅かであろうが彼女の肩が軽くなる事であろう。
「……少し弾幕ごっこから脱線してしまいましたね」
阿求はコホンと咳払いをして気を引き締めた。
「では最後の問題です。『次の内、弾幕ごっこことスペルカード戦においてやってはいけない事ではないのはどれでしょうか?』」
そして霊気が放たれ、三択の文字が紡ぎ出される。
『倒した相手を追撃して殺す』『弾幕展開の際に本体がいなくなる』『隙間のない弾幕を展開する』
その三択が現出した後で、阿求に膨大な霊気が集まり始めたの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ