第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
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納得いくようないかないような複雑な気持ちに、勇美はなった。
「でも、私が脱落したら、これからどうするのですか?」
そして、最後の疑問を勇美は聞いた。
「そのためのあなたと依姫さんのペアという事ですよ。あなた一人が脱落しても、依姫さん一人で挑む事が出来ます」
つまり、ここから依姫一人に託す形になってしまったという事だ。そう思うと勇美は申し訳ない気持ちに苛まれるのだった。
「依姫さん、すみませんね。私の軽はずみな行動の尻拭いをあなたにさせてしまう事になって」
「過ぎた事は気にしては駄目よ。ここからは腹を括って私に任せなさい」
気落ちする勇美に対して、依姫は堂々とした態度で応えた。
「それでは次の問題、よろしいですか?」
「ええ、待たせたわね」
「では第八問『幻想郷の守護者、上白沢慧音。彼女の種族は人間である、○か×か?』」
その問いに続いて阿求の体から霊気が放出され、例によって○と×の形となる。
そして再び阿求からバウンド弾がばら撒かれた。
「問題を考えながら弾を避ける。これは結構難儀ですね」
依姫はぼやいた。さすがの彼女でも弾幕ごっこの経験期間は短いのだ。そこへこのような特殊な弾幕ごっこを体験する事になったのだ。
多少依姫にとって壁となる状況であった。なので彼女は出し惜しみはしない事にしたのだ。
「『天宇受売命』よ、我に力を」
そう宣言して、依姫は月でも呼び出した神を現出させた。そして薄着を纏った女神が現れ、依姫に取り込まれていった。
「【踊符「最古の巫女の舞踏」】」
そして月ではしなかったスペルカード宣言を行った。
「考えましたね、直接攻撃にはどんなものを使っても同じな私の弾幕ごっこの中で、回避の為にスペルを使うとは」
阿求は感心しながら依姫の機転を労った。
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
そう返しながら、依姫は舞うようにバウンド弾を避けるという器用な芸当を見せる。
そして、舞を見せながら依姫は解答の前まで迫っていたのだ。続いて彼女が選んだ答えは。
「答えは『×』」
そう言い切って愛宕様の火の弾丸で×の字を射抜いたのだった。それにより小規模な爆発を起こして文字は砕け飛んだ。
後はバウンド弾も消え、静寂が訪れた。この状況を勇美は固唾を飲みながら見守っていた。これ以上は不正解を出したら、6問正解というこの勝負の勝利条件のノルマを達成出来なくなってしまうからだ。
もし、この勝負に負けてもペナルティー等はないだろう。勝負の方法も極めて特殊だから負けても恥ではないだろう。だが、可能なら『負けたくない』という想いが勇美には強く存在していたのだった。
勇美がそんな念を抱いている中、阿求が口を開く。
「正解です」
ほっ、と勇美は胸を撫で下ろした。
「この問題があったか
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