第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
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たスイカの品種に『伊吹』というものがあります。果重は6キロ程になるそうですよ」
「そんな馬鹿なぁ〜……」
「ちなみにこの会社は『桃太郎トマト』という品種で一世を風靡したんですよ」
それを聞いて依姫は、桃太郎といったら鬼退治、萃香は鬼……、引っ掛かるものしか感じる事が出来なかったのだった。
「では第七問、『小人の侍は少名針妙丸ですが、彼女のスペルカードにパロディーとして使われた作品はどれでしょうか?』」
依姫はもう心の中で追求するのをやめる事にした。何さ『パロディー』って?
依姫がそんな思いを馳せる中で、阿求の体から文字になるべく霊気が放出される。
『僕のヒーローアカデミア』『進撃の巨人』『ワンパンマン』文字はこれらの記述がされていた。
「……依姫さん、分かりますか?」
「……これもちょっと無理ね。地上にはそういう娯楽があるという事は知ってるけど、その作品群までは詳しくはないから」
もしかしたら玉兎達の方が詳しいかも知れないわねと、依姫は付け加えた。
「そうですか、では私が行くしかないですね」
勇美はそう意気込むが、彼女とて答えは知らなかったのだ。
勇美は娯楽作品は結構嗜む方であるが、そういった作品を全て知り尽くしている訳ではないのだ。所謂『オタク』と呼ばれる人達でも知らない自分の知らない作品は当然あるように。
今はただ自分の信じる答えを撃ち抜くだけと勇美であったが、それも阿求は簡単には許してくれはしなかったのだ。
何故なら、再び彼女の攻撃方法が変わったからだ。運動会の弾転がし大の球状の弾が複数出現し地面に叩き付けられたかと思うと、それらは柔軟に弾み、飛び上がったのだ。
そして重力に引かれて地面に落ちると、再び跳ね上がる。この繰り返しであった。所謂『バウンド弾』というものであろう。
「これは……また厄介ですね」
「全くね」
勇美と依姫は弾み地面を打ち付ける弾を回避しながら愚痴をこぼした。
だが、勇美はパターンやタイミングを段々と覚えていき、付け入る隙を見出していったのだった。そして、選択肢の一つに狙いを定める。
「針妙丸さんはヒーロータイプの性格の方ですから、『僕のヒーローアカデミア』で行きます!」
そう宣言してお目当ての文を打ち抜いたのだ。
そしてバウンド弾は消滅し、暫しの静寂が訪れた。
「残念! 正解は『進撃の巨人』です。彼女のスペルカードに『進撃の小人』というものがありますよ」
小人なのに巨人の作品から拝借する。その理不尽さに勇美は遠い目をするしかなかった。
そして、彼女は重要な事に気付いた。──この弾幕クイズには6問正解しなくてはいけないのだったと。
(まずいなぁ……)
当然勇美は焦りを見せた。問題は全部で9問。それに対して勇美はここで3問間違えてしまったのだから。
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