第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
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すか、この問題は?」
「言ったでしょう? 嗜好を変えさせてもらいましたと」
「変わりすぎです!」
悪びれない阿求に勇美は抗議した。これじゃあまるで生徒に100点を取らせたくないからと意地悪な問題を含んだテストを作る歪んだ精神の教師だと。
だが、ここで文字通り立ち止まってはいられないのだ。レーザーが再び阿求を中心に回転し始めたのだ。
「依姫さん助けて〜」
今まで奮闘していたのが嘘のように、勇美は情けなく依姫に頼ったのだった。
「ごめんなさい、私でもこの問題は無理」
恥も外聞も捨てて頼った結果がこれでした。さすがの努力家で勉強熱心な依姫でも、地上の食べ物については知らない所も多いのだった。
「あ゛あ゛〜っ!」
言葉にならない叫びをあげながら勇美はレーザーから逃げながら走った。
そして、一周してお目当ての○と×の前まで来る。
「うぐいすパンにはうぐいす入ってないし、基本的にメロンパンにもメロンは入ってない事から考えて、答えは『×』!」
そう叫んで勇美は×の字の霊気目掛けて星の弾丸を放ち、消滅させた。
(やったかな?)
レーザーが収まり、足を止める余裕の出来た勇美はこれが正解だと願って念じていた。
その状況で、阿求は微笑みを見せた。それを見て勇美は安堵した。
「ん残念!」
だが現実は非情だった。そのもったいぶって期待させて絶望の底に叩き落す仕打ちは、どこぞの最高賞金1000万円のクイズ番組の司会者なんだと、勇美は心の中で悲痛な突っ込みを入れるしかなかった。
「え〜!? 阿求さん、うなぎパイなんてお菓子にうなぎが本当に入っているんですか?」
納得いかない勇美は、阿求に抗議する形を取る。
「はい、実際にうなぎの成分を粉末状にした物を小麦粉、バター、砂糖と練り合わせて作るんですよ」
(そうだったんですね……)
依姫もこれには素直に感心して聞いていた。
「う〜、阿求さん。次の問題をお願いします」
勇美は気を取り直して意気込みながら阿求に催促する。
「はい、では行かせてもらいますよ。第六問『幻想郷で現在確認出来る鬼の一人の伊吹萃香……ですが、伊吹スイカは実在する、○か×か?』」
またお手つきを誘わんばかりの出題方法だなと勇美は思いつつも問題の内容を頭の中で反芻した。
──いくら何でも、そんな駄洒落のような産物がある訳ないと。故に勇美の答えはすぐに決まったのだった。
そして、レーザーを掻い潜りながら選択肢にたどり着くと、迷わず『×』の印を打ち抜いたのだ。
それによりレーザーは止み、再び静寂が訪れる。
「残念!」
「ええっ!」
阿求の無慈悲な宣告に、勇美はショックを受けた。
「そんなスイカあるんですか?」
当然納得いかない勇美。
「はい、『タキイ種苗株式会社』さんが開発し
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