第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第15話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:後編
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「第三問、先ほどに続いて今回も紅魔館に関する問題ですよ。『紅魔館にある図書館の名称はヴワル図書館である、○か×か?』」
阿求の体から放出された霊気が○と×の形を取る。
「残念だわ、この問題には答えられそうもないわ」
私も勉強不足ね、と依姫は自虐的にぼやいた。
「大丈夫ですよ、これも任せて下さい」
対して勇美は意気揚々としていた。そして、弾幕を避けながら『×』の印を撃ち落したのだった。
「正解です、紅魔館の図書館の名前は名称不明なんですよ」
「では、先ほどの『ヴワル図書館』とは一体何なのですか?」
疑問が生まれた依姫は堪らずに阿求に聞いた。
「これはゲー……ゲフンゲフン」
「貴方、今メタ的な発言しそうになりましたよね?」
依姫は頭を抱えながら指摘した。これ以上は踏み込んではいけない領域だったのだ。
「オホン、エフン。気を取り直しまして、第四問。『地底の土蜘蛛、黒谷ヤマメ。さて、彼女のヤマメの由来は魚のヤマメである、○か×か?』」
今まで通り解答の霊気が阿求から放出される。だが、そこからが今までと違っていたのだ。
阿求の体から一本のレーザーが発射されると、それが時計回りに回転しながら周囲をなぎ払い始めたのだった。
「攻撃が変わった?」
当然驚く勇美。
「あなた方はこれまで三問正解しましたので、こちらとしても攻撃方法を変えないと面白くないでしょう?」
確かに単調で変化のない弾幕ごっこはつまらないものだ。だが、この特殊な勝負に際しては些か『ありがた迷惑』と思えるものであった。
「厄介ですね」
そう言いながらもレーザーに追われる身となりながらも、勇美は正解に狙いを付けていたのだった。
そして、一周して選択肢の前まで来た時に彼女が射抜いたのは『×』であった。
「正解です」
レーザーも止んだ中で阿求は言った。
「公式では『蜘蛛は目が八つあるから』というものですが、どうも『女やもめ』が本当に考えられている由来ではないかと私は思うのですよね。蜘蛛は交尾の後雌が雄を食べて未亡人になる訳ですし」
でも、それだと差別用語になりますから公式では発表出来ないんですよね〜と阿求は付け加えた。
「……」
そんな阿求の発言を聞きながら、依姫は項垂れていた。
──メタ発言を阻止出来なかったと。『公式』という言葉を使っている時点でもう駄目だと諦めるしかないと痛感するのだった。
「では第五問、ここまで好調な勇美さんですが、ここから問題の嗜好を変えさせてもらいますよ。『ミスティア・ローレライが開いている店は焼き八つ目うなぎ屋ですが……うなぎパイにうなぎは入っているでしょうか?』」
「え゛っ……」
勇美は絶句した。何そのお手つきを誘うかのような問題の出し方。しかも問題の方向性がおかしくなっていると。
「何で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ