第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第14話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:前編
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赤のエネルギー状の玉がばら蒔かれたのだ。
「成る程、これが『弾幕クイズ』ですか」
依姫が笑みを見せながら言った。
「はい、私は幻想郷の上位の者のような攻撃は出来ませんが」
だが、弾幕をかわしながらクイズに答える事を求める、他にはない粋な計らいと言えよう。
「依姫さん、この問題は私に任せて下さい」
「そう、分かったわ」
迫ってきた弾幕を避けながら、二人は声を掛け合った。
そして、勇美は弾幕を掻い潜りながら○と×のエネルギー体へと視線を送っていた。
「これは慧音さんから聞きましたよ」
そう言って勇美は星の力の銃を構えて続けた。
「幻想郷が外界から隔離されたのは、『明治時代』だって」
そして彼女が狙いを定めたのは、当然×の字であった。続いて銃の引き金が引かれる。
シャリシャリと耳に残る音を出しながら、星の弾は×の字を次々に居抜いていった。それにより字は形を乱され徐々にボロボロになっていき、遂に跡形もなく消滅したのだ。
「……」
×の字を居抜く行為をした勇美は無言で立ち尽くしていた。気付けば阿求から放たれていた弾幕はピタリと止んでいる。
──これで良かったのだろうか? 勇美は今になって不安になってきたのだ。
そして、暫くすると……。
『ピンポーン!』
玄関のチャイムを鳴らすような音が辺りに響いたのであった。いや、この局面でのこの音は。
「おめでとう〜、正解ですよ〜」
そう言いながら拍手をする阿求の姿があった。
「勇美さんの言う通り、幻想郷が外界から隔離されたのは明治時代なのですよ」
その言葉を聞いて、勇美はほっと胸を撫で下ろした。自分が慧音から聞いた話は間違っていなかったのだったと。慧音が嘘を言ったり、博識の彼女が滅多な事では間違いは言う筈はないと分かっていても完璧な者などいないから一抹の不安は拭えなかったのだ。
「こういう風に弾幕を避けながら、正解を攻撃していって下さいね。
ちなみに今の問題を入れて全9問ですよ、私が阿求なだけに」
「いや、それはどうでもいいですよ」
茶目っ気を出してボケる阿求に対して、依姫は突っ込みをいれた。
そして思った。全9問は数が中途半端なのではないかと。何かすっきりしない。自分も月で侵入者相手に降ろした神も9柱であるが、それとは何かが違うと。
だが依姫は一先ずその話題を保留にする事にした。
そこへ阿求が続ける。
「ちなみにあなた方二人は、9問中6問正解すれば勝ちですよ。後5問で勝ちですね、頑張って下さい」
ここで依姫は納得した。こういう形式なら幾ら攻撃手が居ても的は一つかつ、的に耐久力はないから一人でも二人でもそう変わらないのだと。
だが、新たな疑問が今生まれたのだ。それを依姫は阿求に尋ねる
「……必要正解数は何を基準に決めました?
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