第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第14話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:前編
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、転生を繰り返していて、自分はその十代目だと。
「成る程、転生ですか……」
その概念を聞いて、依姫はさぞかし関心を寄せていた。それは自分が月人故に寿命から逃れ永遠の時を生きる存在故に自らとはかけ離れた人生を送っている事が関係しているのだろう。
「つまり、阿求さんは『俺の屍を越えていけ』とか『伝承法』のようなものって事ですよ」
「いや、その例えは却って分かりづらくしているわよ」
勇美の例えに辛口な評価を下す依姫。しかも何で二つともゲームの産物なのかとも思っていた。
「まあいいわ」
その話題は置いておこうと依姫は思った。
「阿求さん、貴方からは色々参考になる事が多かったですよ」
そう依姫は言った。そして知らず知らずの内に阿求を『さん』付けで呼んでいたのだ。呼び捨てでは気持ちが憚られると思わせるものを何か彼女から感じ取ったのだろう。
「そうですか」
阿求は満更でもない様子で依姫に言った。彼女とて、自分が規格外の実力を持つと判断する者から高い評価を得られたのは喜ばしい事なのだ。
「では、参考ついでに少し私に付き合ってくれないでしょうか? もっとあなたの事が知りたいので」
「と、言いますと?」
阿求の提案に、依姫は聞き返した。
「何、簡単な事ですよ。私と弾幕ごっこをして頂ければいいんですよ」
「弾幕ごっこですか……」
阿求からの意外な提案に、依姫はやや狐につままれたようになってしまうが。
「よろしいですよ」
二つ返事で了承するのだった。
「ですが私に弾幕ごっこを挑んだからには気を引き締めて下さいね、私の神降ろしは一筋縄ではいきませんからね」
依姫はふてぶてしくのたまった。
「それはご忠告ありがとうございます。ですがあなたも足元をすくわれないように気を付けて下さいね。私の弾幕ごっこは『少し特殊』ですから」
負けじと阿求も悪戯っ子のような振る舞いで返した。
そんな二人のやり取りを拝見しながら、勇美は暫し呆然としていた。
しかし、気を持ち直し今自分が思った事を言葉にする。
「阿求さんって、『弾幕ごっこ出来た』のですか?」
それが勇美が抱いた疑問の答えであった。確か自分の思う所では阿求は幻想郷縁起の執筆に専念し、弾幕ごっこは得意とはしていなかった筈であるのだ。
そんな勇美が懸念を抱く中、阿求は口を開いた。
「確かに普段私は弾幕ごっこをしていませんから、勇美が知らないのは無理がありませんね」
そこまで言って阿求は勇美に向き直り、微笑みながら続けた。
「ですが大丈夫ですよ。その事も含めて私の弾幕ごっこは特殊だと言ったのですから」
それを聞いて勇美は心踊るような心持ちとなった。──自分が敬愛する依姫と、未だ未知数の阿求の弾幕ごっこが見られる事となったからだ。
「うわあ、楽しみです。依姫
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