第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第14話 ちょっと変わった弾幕ごっこ:前編
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慧音の屋敷を訪問した勇美と依姫。
そこで慧音に会う事に成功するが、彼女には今客人が来ているとの事であった。
邪魔をしては悪いと二人は思い、時を改めようかと言ったが、慧音は寧ろその客人に二人を会わせたいのだと言ってきたのだった。
そして今、二人は慧音に連れられて屋敷の廊下を歩いている所であった。
(やはり中も立派な屋敷のようだったみたいね)
案内され歩を進めながら、依姫はそう思っていた。そして、このような立派な居を構える者と親しい仲となっている勇美にも改めて感心するのであった。
「慧音さ〜ん、そのお客さんってどんな人ですか〜」
歩きながらその詳細を待ちきれないといった様子で、勇美は慧音をせかすような形となっていた。
「まあ、そう慌てるな」
さすがは最初に幻想郷で勇美の世話をしていた者らしく、慧音は慣れた様子で勇美をたしなめる。
「さあ、この部屋に客人はいるぞ。失礼のないようにな」
そして目的の部屋の前に来て慧音は二人に促したのであった。
◇ ◇ ◇
「あなたは確か……」
そしてお目当ての客人とご対面した勇美はそう呟いた。
その人物は艶やかな着物と袴を身に着け、髪は赤く花飾りをあしらい、見た目は可愛らしい少女という様相の者……。
「あなたは阿求さんですね」
そう勇美はその少女の名前を呼んだのであった。
「あら、勇美さん。お久し振りですね」
そう言って、勇美に阿求と呼ばれた少女はニコリとこれまた可憐な微笑みをもって返したのだった。
「勇美、この者は?」
依姫はそう何者かと勇美に問うた。
「あ、依姫さん。この人は稗田阿求さんと言って、幻想郷縁起という書物の執筆をしている人ですよ」
「幻想郷縁起ですか?」
初めて聞く単語に、依姫は疑問符を浮かべながら聞いた。
「それについては私から説明させてもらおう」
「そうしてもらうと助かります」
勇美は慧音の提案を素直に受け入れた。正直言うと自分だけで幻想郷縁起の説明をするのは、やや骨が折れると思っていた所であった。
そして慧音は説明をしていった。幻想郷縁起とは幻想郷に住む人間の為に作られた書物で、様々な妖怪の紹介やその対処法を記したものである事。
更にその人外の者達の人間に対する友好度も記してある事も。
「それは有益な試みですね」
そこまでの話を聞いて、依姫は感心したように言った。
それは彼女が月を守護する立場にある事も影響しているのだろう。──驚異に対する対処は常に行うべきだという考えからである。実際に侵略という行為を受けた身であるから尚実感出来るのであった。
「お褒めにあずかり光栄です」
阿求はそう返した。
「ところで、あなたは月の守護者の綿月依姫さんですよね? 噂に聞いていますよ」
「はい、そうですが……
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