第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第13話 人里の守護者との再会
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はこれで私の自信作なんですけどねぇ〜」
「そんな事に自信を持っては駄目ですって……」
依姫は呆れた。確かに自分に自信を持つ事は大切だが、あらぬ方向に自信を持って暴走するのは論外だと、彼女は思うのだった。
そして、勇美は洗面台に戻っていき、また暫し時が過ぎた。
「またまたお待たせしました〜」
そして再び舞い戻って来た勇美。今度はいつも通りの爽やかな少年然とした姿であった。先程の悪魔は去ったのであった。
「やっぱり貴方は素のままが一番よ」
「そうですね。でも私だって女の子ですから、おめかしには興味ありますよ」
依姫に言われて、勇美は少しばかりの反論をしてみる。
「ええ、その気持ちは分かります。しかし、貴方はおめかしのセンスを勉強した方がいいですよ」
「はい、精進します」
未だに心の中では先程のメイクには自信がある勇美だったが、依姫からのアドバイスを素直に聞いて活かしていこうと思うのだった。
「では、人里に行きましょうか」
「はい」
◇ ◇ ◇
てゐの案内を頼りに迷いの竹林を抜け、そのまま道なりに進み人里にたどり着いた勇美と依姫であった。
「人里も久しぶりだなぁ〜」
感慨に耽る勇美。幻想郷の外の出身の物には目を引くものとなる、日本古来の様相の建物が立ち並ぶ光景は永遠亭に引っ越す前と変わらない様子だ。
「幻想郷に来てから、勇美はここで過ごしたのよね」
「はい」
「いい所だと思うわ」
依姫はそう感想を述べた。
確かに住み慣れて技術も発達した月の都の方が彼女にとっては物理面で過ごし易い所ではある。
だが、住むのに苦痛にならない行き届いた管理が、人里から感じられたのだ。それは、勇美が決して嫌がらずに人里に再び顔を出すのに賛同した事からも伺えるだろう。
さすがは人里を管理する上白沢慧音という者の配慮が行き渡っている事の証明となりそうだ。
「では、慧音さんに会いに行きましょうか」
「ええ、そうね」
勇美の意見に、依姫も同意した。
◇ ◇ ◇
そして勇美は一際大きな屋敷の前に来ていた。
「ここが慧音という者の住処ですか」
依姫は感心していた。月の都にある、自分と姉が住む綿月邸には及ばないが、他の人里の家屋の造りから判断してとても立派な建物であると判断出来たのだ。
「はい、そうですよ。いいお屋敷でしょう」
勇美は、まるで自分の事のように自慢気に言ってみせる。その事からも、勇美がいかに慧音の事を慕っているかが伺えるなと依姫は思いを馳せた。
「ええ、いい所ね」
「じゃあ、行きましょうか」
勇美にそう言われて、依姫はこの流れに疑問符を浮かべてしまった。
──このような立派な建物に住む、重役に会うのがそんな容易な事なのかと。
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