第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第11話 魁! 黒銀勇美VS藤原妹紅-不死鳥編-:後編
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水のバリアを張りながら星の弾丸を放ち、妹紅との戦いで優位を見せた勇美。彼女はこの勢いにそのまま乗ろうとしていたが。
「ちょっと待った、次は私の番だよ!」
「うっ……」
妹紅の発言を聞いて勇美は言葉を詰まらせてしまう。
確かにそうだ。今まで攻めていたのは勇美である。となれば次は妹紅が攻める番であろう。
「でも、このウォーターベールはそう簡単には破れないよ!」
だが勇美は気を取り直したのだ。今の自分には無敵のバリアが付いているのだ。
「ふん、それはどうかな?」
妹紅はニヤリと不適に笑って言った。
「!」
それを見た勇美は背筋をゾクリと震わせ、ハッタリでない事を反射的に察するのであった。そして妹紅はまた新しいスペルカードを取り出す。
「じっくり体感しな! 【蓬莱「凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ-」!!】」
そしてとうとう発動された、妹紅のこの戦いでの四番目のスペルカード。
「何が起きるの?」
そう言いながら勇美は考えた。フジヤマは富士山、ヴォルケイノは英語で『火山』の意味。
そして、勇美が考えている間に事は起こったのだ。地面が奥底で激しく流動するのが分かった。
続いて勇美の近くの地面にひびが入り……そこに穴が開くと同時に真っ赤に煮えたぎるマグマが顔を覗かせ、そして勢いよく吹き上がり火柱を上げたのだ。
「ええっ!?」
勇美は驚いてしまうが、無理はないだろう。何しろ小規模ながら本物の噴火さながらの勢いだったのだから。
そして、次々に起こるマグマの噴出。そんな最中勇美はたじろいでいると、とうとう地面のひびが彼女の足元まで忍び寄っていたのだった。
「しまっ……!」
勇美は慌てて対処をしようとするが、それは最早後の祭りだった。そして容赦なく彼女の足元から爆音を轟かせ、赤き噴出が巻き起こったのだ。
「うわぁぁぁぁーーーーー!!」
大きな悲鳴をあげながら勇美は噴火の餌食となり、吹き飛ばされてしまった。
ずしゃぁぁぁぁー。そして宙に浮いた体が重力に引かれて地面にぶつかり、地に引きずられてしまう。
「どうだい、不死の山の怒りのお味は?」
芝居がかった台詞で勇美に勝ち誇る妹紅であったが、当の本人からは返事がなかった。
「やりすぎちゃったかな……?」
まだ弾幕ごっこの経験の日の浅い少女に対していささかムキになってしまったかと、妹紅はここで自分を顧みたのだ。
「いや……」
だが彼女は首を横に振って、それは謙遜しすぎだと思い直す事にした。何故なら勇美は妹紅に完全に押されるのではなく、着実に一矢報いる形を取ってきたのだから。
つまり、妹紅と渡り合ったのだ。だが、それもここまでかと彼女は思った。
「降参するなら今の内だよ」
勇ましく自信に満ちた口調で、妹紅は地面に倒れている勇美に言葉を浴び
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