第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第11話 魁! 黒銀勇美VS藤原妹紅-不死鳥編-:後編
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の刃は先程と同じく木の枝の如く切り払われたのだった。
「むぅ……」
これには妹紅は唸るしかなかった。
「どんなもんですか♪」
「さっきのはまぐれって訳じゃなかったんだね」
素直に相手の健闘を妹紅は称える。
「こちとら、依姫さんの刀捌きをいつも見てるんでねぇ〜」
どこか時代掛かった台詞回しで、勇美は得意気に語ってみせた。
「成る程、いい師匠を持ったって事か……」
妹紅はそうしみじみと呟く。師匠──自分にも意味合いが少し違えど、それに通じるような存在『上白沢慧音』がいる事を今、妹紅は噛み締めるのだった。
「そうとなれば、最早出し惜しみは必要ないって事だね!」
「ええっ!? これで出し惜しみしていたんですか?」
妹紅の発言に、勇美は露骨に嫌そうな表情で抗議した。
「まあそういう顔はしなさんな、これで最後だから」
そう、これがこの戦いにおいて妹紅の最後のスペルとなるのだ。妹紅にとっても、勇美にとっても、これで勝負は決まるであろう。
妹紅は深く息を吸い込み、そしてこれまた深く吐き出した。そして宣言する。
「【灼熱「フレアウィング∞」】!!」
身構える勇美。だがそれを聞いていた依姫は「そのネーミングはどうなの?」と思っていた。スペル名に『∞』のような記号を付ける者は、弾幕ごっこの経験が深くはない依姫でもどうだろうと感じるのだった。
だが、問題はネーミングではない。妹紅の背中からは、今までとは比べものにならない熱と炎が吹き出したからだ。まさに『灼熱』である。
「行くよ!」
そして振りかぶられる灼熱の翼。それだけで物凄い熱風が巻き起こる程だった。
更に事はそれだけではなかったのだ。今度はそれに続いて、妹紅が作り出した熱の進路で次々に爆炎が生まれていったのだ。
「すごいです……」
今まさにその爆炎に飲まれようとしているのに、勇美は感心しながら呟いたのだ。
それだけ、この妹紅との戦いを素晴らしいものだと勇美は噛み締めていたのが理由であった。
この状況には最早下手な小細工は通用しないだろう。勇美はそう決心し、正面から立ち向かう事にしたのだった。
「今こそ、『アレ』を使う時だね……」
「何かい? このフレアウィング∞に対して対策でもあるというのかい?」
勇美に言われた妹紅は強気に出る。それだけこの最後の攻撃に対して自信があるのだ。
だが、勇美の出した答えは、
「対策なんて大したものじゃないよ。正面からぶつかるだけだよ」
というものであった。
「そうかい、なら受けて立つよ!」
そんな勇美の心意気に触発されたのか、妹紅の意欲は最高潮となるのだった。
「金山彦様に愛宕様、力を貸して下さい」
そう祈るように目をつむりながら念じる勇美。そしてローブの薙刀使いダークと
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