第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第10話 魁! 黒銀勇美VS藤原妹紅-不死鳥編-:前編
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だが妹紅には先程までの余裕が戻っていた。ニヤリと笑みを浮かべると、彼女はどこからともなく何かを取り出した。それは……。
「何と竹でできたバズーカ砲だったのです!」
「あんたが先にそれを言うか……」
人が武器の説明をしようと思っていた矢先に相手に言われてしまい、妹紅はやるせない気分となった。
しかも勇美の言い方だと、東方は東方でもprojectとは別の東方になってしまうのだ。更にそれだと妹紅はタイムパラドックスを起こした罪で時の団地に幽閉されてしまう、そんなの冗談じゃないと憤りを感じるのだった。
閑話休題。妹紅はそういうネタ的な話題を頭から振り払うと、気を取り直して手に持った武器の説明をした。
「『火焔竹筒』。こいつの火力は相当なもんだよ。尤も……」
そう言って妹紅は竹筒を左手に構えて勇美へと狙いを定めた。
そして発射される炎の砲弾。それは着実に勇美との距離を詰めていったのだ。
勇美はこの攻撃を避けようと、その場から動いてしまったのだ。
「ダメージを直接当てるのが狙いじゃないけどね」
妹紅はニヤリと笑いながら言った。そして、再び照射される『正直者の死』。
「ひぃっ……」
勇美は襲い掛かるそのレーザーから、また逃げるしかなかったのだった。
逃げる彼女をレーザーは追い始めた。そんな窮地に至ってしまった勇美は走りながらも必死で考えを巡らせ始めた。
(一体どうすれば……?)
思考を馳せさせる勇美。こういう窮地で以前──メディスン戦ではどうしたのだっただろうか?
(そうだ!)
勇美はすぐに今すべき事を思いついたのだ。後は実行するだけだった。
そこに妹紅のレーザーが今まさに差し迫っていた。そして勇美を貫かんと彼女に肉薄したのだ。
そして勇美にレーザーが突き刺さり、そこから激しい閃光が迸り辺りを包んだのだった。
(勝負あったね)
妹紅はここで自分の勝利を確信したのだ。
そして、閃光が止み視界が晴れて来た。妹紅は後は地面に倒れた勇美の姿を確認するのみであった。
だが……。
「!!」
その瞬間、妹紅は目を見開いた。
そこには、彼女が想像していた、倒れた勇美の姿は存在していなかったのだ。代わりにあったのは。
「バリアかい。味な真似してくれるね」
妹紅は苦笑いを浮かべながら言った。
「【水鏡「ウォーターベール」】……」
勇美はそう自分が発動していたスペルの名前を宣言した。そして彼女は丈夫な水の膜に覆われていたのだった。
「駄目ですよ妹紅さん。味な真似って言ったら、その後はビチグソがぁ〜って言わないと」
「言うか女の私がそんな下品な事!」
そんなふざけた台詞の発言を求められた妹紅は、当然怒る。
「さすがね、勇美。今ので段々貴方のペースに引き込み始めたわよ」
感心して言う
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