第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第10話 魁! 黒銀勇美VS藤原妹紅-不死鳥編-:前編
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であっても、これから弾幕ごっこを一緒に行う関係となるのだ。名前は知っておくのが礼儀だろう。
「そういやまだ名乗ってなかったな。私は藤原妹紅っていうんだ、覚えておきな」
そして妹紅と勇美の弾幕ごっこの火蓋は落とされたのだった。
◇ ◇ ◇
「私から行かせてもらうよ!」
そう妹紅が言うと、地を踏む足に力を込め、そのバネで見事に宙へと跳躍したのだ。そして飛び上がりながらスペルを宣言する。
「【不死「火の鳥-鳳凰天翔-」】」
宣言後、すぐに異変は起こった。妹紅の背中から炎が翼のように現出したのだ。
「!!」
これには勇美は驚くしかなかった。
「喰らいな!」
炎の翼で羽ばたきながらそう言うと、妹紅は足にも炎を纏わりつけ──勇美目掛け空から蹴りを放った。
「ひっ!」
飛び掛かる火の鳥から慌てて身を翻す勇美。そして間一髪で蹴りを避けたのだ。
「くっ! 避けられたか!」
勢いづいて標的の射程範囲外となってしまった妹紅はそのまま地面へと突っ込んでいった。
そして炎の蹴りは地面に着弾した。続いて爆音と爆発がそこに巻き起こったのだ。
徐々に爆発により発生した土煙が晴れてくると、勇美は息を飲んでしまった。
妹紅が突っ込んだ地面には、見事に直径5メートル程のクレーターが出来上がっていたのだから。
その瞬間、勇美は悟った──この人は自分が最初に戦ったメディスンとは格が違うと。さすがは輝夜に殺し合いを挑もうとするだけの実力があるという事か。
「でも、負けません」
勇美は力強く言った。例え格上の相手でも輝夜を守る為に自分は勝たないといけないのだ、それに。
「私には神様の力が付いているんですよ。『火雷神』様、お願いします!」
そう勇美が神に呼び掛けると、彼女の目の前に金属の断片が集まっていき、徐々に形作られていった。
そして、それは完成したのだ。
人型のロボットのような外観をしていた。
そして、ロボットのような外観に似合わず、傘をさしていたのだった。
(……)
その存在が現出する様子を妹紅は見守っていたが、やがて口を開いた。
「そいつの名前は何て言うんだい?」
「この子? マックスって言うんだけど、今のこの形態はね……」
そこで勇美は一呼吸置き、
「名付けて『ガン降ラスター』だよ!」
と、言い切ったのだ。
「ええっ、それは何か問題な気がするよ……」
妹紅は手で頭を抱えながら項垂れた。当て字だし、どこかで聞いたような名前だったからだ。
「まあ、そう言わないでよ」
「言うわ! 色々まずいよ」
弾幕ごっこが始まったばかりだというのに、勇美と妹紅の二人はギャーギャーと言い合っていた。
「細かい事は言いっこなしだよ。妹紅さん、あなたは炎を操るんですよね。ならばと思いまして
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