第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第10話 魁! 黒銀勇美VS藤原妹紅-不死鳥編-:前編
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醸し出していると悟り、ここは自分が取り繕わなくてはと思った。
「まあまあ、人の服装を兎や角言うなんてマナー違反ですよ」
そう宥めるように勇美は言ったが、
「いや、あんたの服装が一番目立つんだよ!」
「そもそも言い出しっぺは貴方でしょ!」
「うっ……」
二人に綺麗に突っ込みを受け、見事に墓穴を掘ってしまった勇美だった。
だが、勇美は気を取り直して話題を変える事にし、もんぺの少女に質問した。
「ところで、あなたはこんな所で何をしようとしていたんですか?」
見たところ、この少女は妖怪ではない。なのにこのような場所を一人で歩いていたというのか。
「ああ、その事か……」
もんぺの少女は合点がいったように相槌を打ち、言葉を続けた。その言葉に勇美は聞かなければ良かったと思う事になるのだが。
「それはな……輝夜と殺し合いをしようと思って探していた所だよ」
「えっ……!?」
その言葉を聞いて勇美は凍り付いたような感覚に陥った。聞き間違いではないかと思い、もう一度もんぺの少女に確認する。
「今、何て言ったんですか?」
「よく聞こえなかったか? 輝夜と殺し合いをしようと思っていた所だって言ったんだよ」
「!!」
やはり聞き間違いではなかったようだ。勇美は確信するのだった。そしてすぐに彼女の答えは決まった。
「そんな事、私がさせませんよ!」
勇ましく勇美は吠えた。輝夜とはまだ永遠亭で一緒に暮らすようになってからまだ長くはない。そして依姫や永琳と比べて関わる機会も少ないのだ。
だからこれから関わりを増やしていこうと思っていた所である。
そんな、これから仲良くしていこうと考えていた人に危害を加えるなんてさせない、勇美は強く心に誓うのだった。
幻想郷での揉め事を解決する為にスペルカード戦、すなわち弾幕ごっこが作られたと勇美は依姫から聞いていた。
そして、勝敗にそぐわない行為をする事も禁じられていると。
だから勇美は決意して宣言するのだった。
「私と弾幕ごっこして下さい。そして私が勝ったら輝夜様に手は出させませんよ!」
それを聞いた依姫は、勇美は少し事情を勘違いをしている事を指摘しようとしたが、途中でその考えを押し込めた。
理由は勇美にとって『経験』になるいい機会だと踏んだからだ。
依姫は含み笑いで顔が歪みそうになるのをこらえながら勇美に言った。
「わかったわ、勇美。うまく勝つのよ。この勝負、私が見届けるわ」
「はい、依姫さん。輝夜様は私が守ります!」
そのやり取りを見ていたもんぺの少女は挑発的な笑みをたたえて言った。
「あんたは勇美って言うのか。勇美の覚悟、見させてもらったよ」
「負けませんよ。ところであなたの名前は何て言うんですか?」
勇美は聞いた。例え身内に危害を加えようとする者
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