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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン25 熱血指導、大熱血
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い光沢を放つよく使い込まれた金属バット。大地を大股で踏みしめて素振りも何も行わずにいきなり放たれた腰の入ったフルスイングが、手ごろな位置に浮かんでいた最後の光球を千本ノックさながらに打ち据えた。

「ドローカードは……どうだ、これが新・熱血指導デッキの底力!モンスターカード、未界域のツチノコ!喰らええぇ、800のダメージを!」

 蛇ノ目 LP2400→1600

「3回連続でモンスターカードを引き当てるなんて……!さすがです、師匠!」
「ふっ、驚くにはあたらないぞ少女よ。俺のこの新・熱血指導デッキは、見ての通りこの未界域モンスターたちの力によって文字通りに生まれ変わったからだ!手札が多ければ多いほど高い確率でノーコストでの特殊召喚が可能となるこいつらは、しかもおあつらえ向きにビッグフットをはじめとするレベル8のカードまでカテゴリ内に内包している。つまりこれらのカードを大量投入することによって熱血指導王のエクシーズ召喚精度はそのままに、モンスターカードの比率を極限まで高めることに成功したのだ!これにより、このような連続バーンもいとも簡単に成功するようになった……なんて言うと思ったかああっ!」
「え、ええっ!?」

 珍しく馬鹿の一つ覚えな精神論ではない論理的な理由を出してきた、かと思いきや激昂した様子でいきなりそれを自分から否定する夕顔。これはこの場の誰も知る由はないのだが、普段からこうやってボルテージが上がりすぎたタイミングで適切に水を差してくれていた朝顔というブレーキ役の不在は、こんなところにまで影響を及ぼしていた。

「いいか少女よ、覚えておけ!俺の熱血指導に、そんなくだらない確率の問題などは二の次、三の次だ!今俺がモンスターを引くことができたのは、ひとえに俺の熱血魂!熱く燃え滾る怒りと熱血にこのジャイアントレーナーが、そしてこのデッキが、全力をもって応えてくれた、ただそれだけだ!」
「し、師匠……!」

 こんな緊迫した事態の真っただ中でさえ繰り広げられる、本人たちだけは大真面目なツッコミ不在の熱血劇場。黙って聞いているうちに頭が痛くなってきた糸巻がふと横を見るとわかるわかると言いたげに深々と頷く清明が目に入り、そういえばコイツもそっち側に片足突っ込んだ人間だったと思い返す。

「そして熱血は今、進化する!俺は手札の魔法カード、RUM−アージェント・カオス・フォースを発動!このカードは俺のフィールドに存在するランク5以上のモンスターエクシーズを対象として発動し、ランクが1つ上のCX(カオスエクシーズ)、またはCNo.(カオスナンバーズ)へとランクアップさせる!俺はランク8のジャイアントレーナーで、オーバーレイネットワークを再・構・築!」

 素材を使い果たしたジャイアントレーナーが真紅の光の塊となり、さらなる
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