ターン25 熱血指導、大熱血
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撃事件は、お前の仕業なのか!俺が知りたいのは、それだけだ!」
血を吐くような激情を込めた問いに、事態の呑み込めていない観客を含め会場全体が沈黙に包まれる。
「ふっ」
針一つ落ちただけでも音が響きそうなそれを最初に破ったのは、蛇ノ目の皮肉げに歪んだ口元から堪えきれないとばかりに漏れた短い笑いだった。目を閉じて愉快で仕方ないと言わんばかりに肩を揺すって無言の冷笑を浮かべ、その発作が収まったころにようやく冷たい目が開く。
「さて。そうだ、と言ったらどうなるかね、若造?」
「……っ!お前は俺が、俺の熱血指導が打ち倒す!言い訳なんざ聞く気はねえ、それだけだ!」
あまりにもあっさりとした肯定に、夕顔の目が見開かれ……ワンテンポ遅れ、その目の中に怒りが満ちていった。指が白くなるほどにその拳を握りしめ、歯が折れそうなほどに力を込めて食いしばる。
無論、糸巻たちデュエルポリスもその告白をただぼさっと聞いていたのではない。すぐさまイヤホンを片耳に突っ込んだ糸巻が、地下上水道の鼓に向けて小型マイクで連絡を飛ばす。
「聞こえたな、鼓!やっぱり奴だ、蛇ノ目の糞野郎だ!」
『ああ、私にも聞こえたとも。お前はそのまま見張ってろ、すぐに奴のこの町での動きを割り出してやる』
それっきりで言葉は途切れたが、猛然としたスピードのタイピング音がわずかに聞こえてくる。いうなれば、今の蛇ノ目の肯定は彼女たちへの宣戦布告。これまでは下手なことをして察知されるとその場で大量の爆発物カードを実体化されかねないという弱みを握られていたためあまり大きく動くことはできなかったが、デュエル中ならば話は別だ。
運び込まれた大量のカードを、ここに蛇ノ目は持ち込んではいない。それはつまり、彼が単独犯ではないということを示している。彼はあくまでも荒事担当、糸巻たちの相手をするのが主な役割だろう。大量のカードに囲まれて起爆の時を今か今かと待つ爆破役は、別にいる。
「巴さんには悪いが、今回ばっかりは朝顔さんの仇だ!進化した俺の熱血指導で、骨も残さず燃やし尽くしてやるぜ!」
「燃やし尽くす、か。俺に言わせればくだらん若造の火遊び程度だが、付き合ってやろう」
「火遊びかどうか、灰になってからもういっぺん考えな……!」
そしてこのテロリストの狙いが巴率いる同業他社との抗争、及びデュエルポリスの権威の失墜だというのならば、数日前に鼓が指摘した通りその起爆タイミングはひとつ。最大限彼女たちの顔に泥を塗ることができるとき、すなわち彼女たち全員をデュエルという土俵で打ち破ったその瞬間だ。それより前では意味がないが、もしそれ以前の段階で追い詰めていたら破れかぶれになって爆発ボタンに手をかけていたかもしれない。
要するに、実質的に彼女たちはずっとこの辺一帯の人間
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