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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン25 熱血指導、大熱血
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、激しい爆発が起きた。それは最後の瞬間まで熱血に生きた男の、最後の絶叫だったのかもしれなかった。その体が爆発の余波に吹き飛ばされると同時に、右腕を覆う炎もまた風の中に千切れて消えていった。

 炎斬機ファイナルシグマ 攻6000→CX 熱血指導神アルティメットレーナー 攻0(破壊)
 夕顔 LP4000→0





「し……師匠ーっ!」

 真っ先に飛び出したのは、彼を師と呼ぶ少女だった。何度も地面に打ち据えられ、その全身が燃えカス同然の姿となった夕顔に、必死で駆け寄りその横に座り込む。本当はその体を揺さぶって目を開かせたかったが、傷の具合からみて下手に手で触れては余計に悪化することは、少女の目にも容易に理解できた。

「師匠……」

 辛うじて絞り出したその言葉以外、何も口に出すことができなかった。どう見てもすでに意識はないが、むしろその方がまだ本人にとってはいいだろう。全身を襲っているであろう激痛を、たとえこの瞬間だけでも感じずにいられるのだから。
 しかし、その瞼がわずかに震えた。浅く弱々しい呼吸に一定のリズムが生まれ、焼け焦げてひび割れた唇がわずかに開きかすかな声を絞り出す。

「少……女、か」
「師匠!?喋っちゃダメです、いまお医者さんを……えっと、竹丸さん!」
「う、うん!」

 目の前で起きた光景のショックから親友の言葉で立ち直った竹丸が、震える手で慌てて携帯を取り出す。救急に連絡を取り始めたのを確認して自分も走りだそうとし、待て、とのかすれた言葉に足を止める。

「師匠、喋っちゃダメですってば!」
「俺、の、熱血指導が……」
「し……」
「勝手なのは、わかって、る……だが、少女よ、頼む……!」

 一体、その体のどこにそんな力が残っていたのか。スクラップ寸前のデュエルディスクに手をかけると、セットされていたカードがばらばらと零れ落ちる。その中から目当ての1枚を何度か失敗したのちに震える腕でどうにかつまみ上げ、それだけの動作ですでに途切れそうになる意識を必死にかき集めてその1枚を差し出す。

「熱血、指導王」
「ジャイアントレーナー……頼む、済まない、少女よ……俺の魂を、朝顔さんの、仇を……!」

 ボロボロになったその顔の両目は、もはやまともに見えているかどうかも定かではない。しかしその眼窩からは、悔し涙が溢れていた。自分の手で仇を討てなかったことへの悔しさ情けなさ、こんな少女に危険なデュエルによって後を託そうとしている自分への情けなさと、痛いほどに自覚する無責任さ、卑怯さ。それでも彼はその全ての恥を忍び、自らのエースモンスターを差し出したのだ。
 そして少女は、迷いもせずにそのカードを受け取った。自分も泣き出しそうになるのをぐっと堪え、決意を込めた瞳で限界などとうに越し
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