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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン25 熱血指導、大熱血
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そして案の定、そのマグマも素材として墓地に送られる。

「レベル4の斬機マルチプライヤーに、レベル8の炎斬機マグマをチューニング。ちっぽけな羽虫の一飛びが、強固なる要塞を突き崩す嵐となる。シンクロ召喚、レベル12。すべてを打ち砕け、B・F(ビー・フォース)−決戦のビッグ・バリスタ!」

 ☆4+☆8=☆12
 B・F−決戦のビッグ・バリスタ 攻3000

 デュエルモンスターズのカードに記載される中では最高位である12ものレベルを誇る、巨大な昆虫要塞。その体と一体化した圧倒的質量と迫力の弩が、その先端を鋭く閃かせる。

「ビッグ・バリスタ……!」
「効果発動。このカードが特殊召喚に成功した時、墓地の昆虫族モンスターをすべて除外することで相手モンスター全ての攻守は除外されている自分の昆虫族モンスター1体につき500ダウンする。ビー・エフェクト・テンペスト」

 ビッグ・バリスタがその羽を振動させると、その体内から幾重にも重なった無数の羽音が一斉に響く。不気味な振動が空気を震わせるその光景を前に苦悶し、その場に崩れ落ちていくアルティメットレーナーの巨体を一瞥し、糸巻は舌打ちした。

「まずいな。アイツのアルティメットレーナーはあらゆる効果の対象にならないが、それ以外には無力。しかも奴の墓地には、今……」
「俺の墓地には増殖するG2枚、ラーバモス、地雷蜘蛛、グレート・モス、ジャベリンビートル、デビルドーザー、赤蟻アスカトルの8枚の昆虫族がいる。これをすべて除外することで、お前の散々自慢したそのモンスターは無力となる」
「ア、アルティメットレーナー……!」

 CX 熱血指導神アルティメットレーナー 攻3800→0

 悔し気に歯噛みする夕顔だが、すぐに気持ちを切り替える。確かに攻撃力こそ0にされてしまったが、まだ彼の手には先ほどジャイアントレーナーによってドローしたジュラゲドのカードが存在する。バトルステップ中に任意のタイミングで特殊召喚できライフを1000回復するこのカードがあれば、彼のライフは実質5000。蛇ノ目の手札1枚が今から特殊召喚して追撃を可能とするモンスターやビッグ・バリスタを強化する何らかの手段だとしても、ビッグ・バリスタの攻撃力3000との合わせ技ではそう簡単に手札1枚から叩き出せる数値ではない……はずだ。
 しかしそんな心の動きを見透かしたかのように、冷酷な言葉が突き刺さる。

「なんだ、その様子だとまだ気づいていないようだな」
「何?」
「おかしいとは思わなかったのか?墓地に8体の昆虫族を溜めつつビッグ・バリスタを出したかっただけならば、わざわざマグマを挟む必要はなかった。ビッグ・バリスタの召喚に素材の縛りはなく、最初から使神官、赤蟻、マルチプライヤーの3体をそのまま使うことでもシンクロ召喚
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