ターン25 熱血指導、大熱血
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ンスターゲートを発動。ジャベリンビートルをリリースすることで通常召喚可能なカードが出るまでデッキを上からめくっていき、最初に出たそのモンスターを特殊召喚する。1枚目、儀式の下準備。これは魔法カードだから墓地に。2枚目、ジャイアントワーム。これはレベル8のモンスターカードだが、通常召喚不可能な特殊召喚モンスターだからやはり墓地へ。3枚目、ジャベリンビートルの契約。これも魔法カードだ、4枚目」
あれだけのカードを使って儀式召喚されたジャベリンビートルをあっさりと切り捨て、モンスターゲートが蛇ノ目の場に開く。異空間に繋がる向こう側の見えない穴に次々とめくられたカードが投げ捨てられ、そして4枚目のカードがめくられた。
「レベル4モンスター、斬機マルチプライヤー。よってこのカードを特殊召喚する」
斬機マルチプライヤー 攻500
穴の向こうの異空間から、鈍い光沢を放つ金属の戦士が現れる。その背後では役目を果たしたモンスターゲートが、揺らいで宙に消えていった。
「昆虫軸【推理ゲート】……だが、読めねえな。ありゃサイバース族だ、ここにきて昆虫族ですらない、だと?」
糸巻の呟き通り、ここまでで蛇ノ目の使用したカードはほとんどが昆虫族の特殊召喚モンスター。名推理やモンスターゲートといったカードで大量に特殊召喚モンスターを墓地に送り込み、それを利用して戦う【推理ゲート】は、それなりに歴史と伝統のあるデッキのひとつとして彼女もよく知っている。その水増しのために、わざわざ唯一の昆虫族儀式モンスターであるジャベリンビートルもデッキに組み込んでいたのであろう。
だが、その着地点がサイバース族に関連した効果の持ち主であるマルチプライヤーというのはどういうことなのだろうか?
厄介なことに蛇ノ目に関しては、彼女の過去の知識も何の役にも立ちはしない。あの男はかつてのプロデュエリストとしては珍しく、決まったデッキを持たないことで知られていた男だった。毎回のように手を変え品を変え彼が固執し続けたただひとつの軸は、その二つ名の由来ともなったワンショットキル。ただ一撃をもって相手のライフをすべて奪い取る、そこに全てを賭けるようなデュエリスト。ゆえに、今回はどこを通したら致命傷となるのかは見当もつかない。そもそも彼女にも、彼のこのデッキが何を目指しているのかはいまだ理解できていないのだ。
「レベル5の使神官に、レベル3の赤蟻アスカトルをチューニング。シンクロ召喚、レベル8。シンクロチューナー、炎斬機マグマ」
☆5+☆3=☆8
炎斬機マグマ 攻2500
エンターテイメントの一環としてプロの世界ではすっかりお馴染みだったシンクロの口上すらない、あまりにも淡泊な召喚。それは、このマグマでさえ中継地点に過ぎないことを言外に物語っていた。
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