第九話 エリアG
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込んでのぬいぐるみの整理をするヴァンの後ろ姿に、プレリーは昔の出来事を思い出す。
“お姉ちゃん”は研究者で研究に没頭すると面倒臭がって身の回りのことが雑になって研究室でもある部屋は散らかり放題。
それは基本的に実害がなければ気にしないはずの兄のように慕っていた“あの人”も見かねる程だったので、時々自分と一緒に部屋を片付けてくれていた。
幼かった自分は二人と一緒にいられるのが何よりも楽しくて幸せだったことを今でも覚えている。
「(ヴァンはあの人じゃないのに…私ったら…駄目だなぁ…お姉ちゃんみたいに強くならなきゃいけないのに…)」
「なあ、プレリー」
「え!?何?」
思い出と思考に浸っていたプレリーをヴァンの声が呼び戻す。
「ロッカーや押し入れに押し込むのが駄目なら空き部屋をコレクション部屋にして入れたらどうだ?空き部屋がないなら新しく作ればいいし、司令官なんだから部屋の一つや二つ自由に使えるくらいの権限はあるだろ?」
「コレクション部屋…でも…すぐにもふもふ出来なくなるし…」
「別に全部入れろとは言ってないし、自分の部屋に飾るのは一つか二つでいいだろ」
ヴァンの正論にプレリーは苦渋の決断を迫られることになるのであった。
一方、エリアGの中華料理店に直行したエールとジルウェ。
そしてエールは瞳をキラキラと輝かせながらお目当ての湯気が立っている餡まんを口にした。
「はふはふ…ん〜っ!美味し〜っ!!」
ホカホカモチモチの生地の食感に、口の中で蕩けるようなこし餡にエールは頬に手を添えながらご満悦だ。
「(ヴァンが加わってから元気になったようだな…)」
ヴァンのお土産の肉まんと、エールが食べたい分の餡まんの紙袋を受け取ったジルウェは微笑む。
自分の財布の中身は悲惨なことになっているが。
「おいエール!」
「むぐっ!?」
背中を叩かれて餡まんを喉に詰まらせたエールは水を一気飲みして窮地を脱した。
「ケホッケホッ…誰!?今、背中を叩いたの!?」
「俺だよエール!久しぶりだな」
「あんたはシュウ!?何であんたがここにいるの!?」
犯人はエールとヴァンが働いているジルウェ・エクスプレスの従業員であった。
「ふっ、俺も同じさ…ここの中華を食いに仕事をサボって…」
「その話、俺に詳しく聞かせてもらおうか?」
背後からシュウの肩を叩くジルウェ。
優しい声色だが、眼鏡が光を反射してジルウェの表情を隠しているので恐ろしく怖い。
「ジルウェさん!?冗談です冗談!ちゃんと有給手続きしました!ほらっ!」
有給休暇手続きの書類を渡すと、ジルウェの雰囲気は穏やかなものに戻った。
「確かに…あまり変なことを言う
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