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夢幻水滸伝
第百三十一話 琉球を出てその七

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「是非」
「そうするねんな」
「はい、そして」 
「憲兵隊の方をか」
「しっかりとやってもらいます」
「そっちか」
「日本軍にも憲兵隊はありますが」
 それでもとだ、喜久子は中里に話した。
「私の管轄にしても」
「喜久子ちゃんの本分は警察やな」
「そちらです、憲兵も警察と言えますが」
 それでもというのだ。
「軍隊の中にあり」
「喜久子ちゃんはそっちには縁薄いからな」
「今は星の人の権限で指揮を執っていますが」
 それでもというのだ。
「基本私は」
「軍とは縁が薄いな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そちらを専門にしてくれる人がいれば」
「それならやな」
「お任せしたいですしセリューさんも誇りを持って仕事をしておられます」
 憲兵のそれをというのだ。
「しかも暴走しない人で無闇な処刑も行ないません」
「正義感は強くてもな」
「罪を憎んで人を憎まずの娘なので」
 それでというのだ。
「いいかと」
「そうか、ほなやな」
「憲兵隊長、統一した時は総監になりますか」
「軍のな」
「そして中里さんの指揮下に入りますね」
「ああ、今日本の軍は僕が責任者や」
 勿論最高司令官と言えるのは棟梁である綾乃であるが中里はその彼女に全権を任されているのだ。そして政の方は太宰である。
「そうなっててな」
「日本が最後まで勝ち残ると」
「その時は僕が太平洋と地下世界の軍を預かるか」
「そうなりますので」
「その時はやな」
「セリューさんは中里さんの指揮下に入り」
 そしてというのだ。
「憲兵をです」
「預かってやな」
「存分の働きをしてくれます」
「まさに憲兵隊はあの娘やな」
「はい、逆に言えばあの娘以外には」
「おらんな」
「私は確信しています、ではお肉が焼けてきました」
「ああ、ほなな」
「食べましょう」
 バーベキュー、それをというのだ。
「今から」
「ほなな」
「お酒はなしですが」
「それは仕方ないな」
「今は戦をしている最中ですので」
「喜久子ちゃんもお酒好きだぎゃがな」
「そこは我慢です」
 喜久子は坂口に微笑んで返した。
「私は日本酒党ですが」
「そっちだぎゃ」
「どのお酒も好きですが」
 それでもというのだ。
「やはり第一は」
「そっちだがや」
「はい、しかし今は」
 好きなその日本酒もというのだ。
「我慢して」
「他のを飲むだがや」
「今はサイダーを飲みます」
 こちらの飲みものをというのだ。
「サイダーも好きなので」
「炭酸たいな、こっちの世界にもあってよかったとよ」
 純奈はそのサイダー、よく冷えたそれを見つつ話した。
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