第八十四話 安芸家との戦その十五
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「そしてじゃ」
「中村に攻め入りますな」
「四万十川も渡り」
「そうして」
「ここで採差を一つにする」
その一条家を倒してというのだ。
「よいな、ただご当主殿は何があってもな」
「お命は奪わぬ」
「それは絶対ですな」
「降しても」
「どうしてもな」
兼定の命まではというのだ。
「奪ってはならぬ、礼を尽くしてな」
「そうしてですな」
「土佐より去って頂く」
「そうして頂きますな」
「一条家の他の方々もじゃ」
兼定だけでなくというのだ。
「よいな」
「どなたもですな」
「危害は加えぬ」
「決して」
「そうして土佐から去ってもらう」
これが元親の考えだった。
「それでよいな」
「はい、それではです」
「そのことを絶対としてです」
「一条家と戦いますな」
「出来れば避けたかったが」
それでもというのだ。
「ことここに至っては仕方ない」
「では、ですな」
「出陣の用意ですな」
「それに入りますな」
「その様にする」
元親は決断した、こうしてだった。
遂に長曾我部家は一条家との戦に入ることになった、決断した元親の動きは速くすぐさま出陣を命じたのだった。
第八十四話 完
２０２０・２・１
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