48 杯の能力
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!」
りえは山田家を出た。
三河口は札幌駅でありとその夫に見送られていた。
「それじゃ、お父さんとお母さんに宜しくねー」
「はい、お世話になりました」
三河口は列車に乗りこんだ。
(また長旅か・・・)
かよ子は午後はまる子達とプールで泳いで楽しんだ。帰る途中、皆はりえについての話をする。
「りえちゃんも来ればよかったのに〜」
藤木は残念がっていた。
「今日もピアノの練習してるのかね〜?それにしてもりえちゃんがカナヅチだってのは以外だねえ〜」
「うん」
「そういえばあいつ、全然日に焼けてなかったよな」
大野と杉山は真相を知っていた。杉山は考えた。
(喘息の影響、か・・・)
「でも、泳げなくてもプールに入っているだけで楽しいのに」
「明日もう一回誘ってみようか」
たまえは提案した。
「そうだね」
「やめとけよ」
杉山は止めた。
「え?」
「あいつがプールに入りたがらないのはそれなりの理由があるんだ。何回さそってもまた断られるだけだぜ」
「す、杉山君・・・」
かよ子は杉山がいきなり言った事に驚いた。
「プール以外であいつと遊んだほうがいいぜ」
「そんなあ・・・」
「で、でも、私も杉山君の言う通りだと思うよ。しつこく言っても逆に嫌がられるだけだと思うし・・・」
「そうだな」
大野は賛成した。
「ちぇ」
「僕が命を懸けてりえちゃんを守ってやるって思ったのに・・・」
皆と別れた後、かよ子は好きな男子から呼ばれた。
「山田」
「え?」
「俺、夕方、教会に行ってみるよ」
「え?」
「りえの事をよく知りたいしさ。じゃあな」
杉山は喧嘩したりえにその能力を試してみたかった。かよ子はなぜか嫉妬心が込みあがった。
(す、杉山君、もしかして、りえちゃんが・・・!!)
夕方、杉山は教会へ向かった。ピアノを弾く音が聞こえる。りえはまだ練習していると杉山は察した。杉山はかよ子からりえは「異世界の杯」を持っていると聞いた。以前、森の石松から「力の石」の一つである「雷の石」を貰った時は、これで山口や川村達から乗っ取られた秘密基地を取り返す為の闘い使用しようと考えた。だが、かよ子や冬田、そしてフローレンスの介入でその行為が間違っていると気づいた。あの時と同様、りえの杯の能力を試す為だけにその石を使用するのは石松やフローレンスの意に反していることになり、彼女にも悪いと思うし、自身も外道な事をしているとは感じている。だが、それでもかよ子の言っている事は間違っていない事を確かめたかった。
教会に着いた。ピアノの音がする。あの「亜麻色の髪の乙女」だった。礼拝堂に入る前、途中で音が止まった。杉山は何があったのかと中を覗こうとした。その瞬間、ドアが開いた。
「また幽
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ