海の女
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小声でビアンカにポピーの事を尋ねるウルフ…
「ビアンカさん…ポピーさんってどんな娘さんなんですか?」
「う〜ん…あの娘もね、複数人を同時に移転させるルーラを使えるのよ。しかも生まれつき…魔法の天才ね」
「すげぇ…」
「でも…性格が…父親に似ててね…その…身勝手なのよね…あの娘!」
「うわぁ〜!」
ウルフのその一言が、ポピーという存在の感想を全て表している。
「ティミーもみんなも落ち着いて!…波に攫われたとしても死んだわけではないわ!生きて…何処かに流れ着くかもしれないじゃない!希望は捨てちゃダメよ…世界を旅していれば、また再会する事だってあり得るわ!だから今は気持ちを切り替えて、次の目的地へと進みましょう!」
アルルがリーダーらしく皆を鼓舞する。
悲しみが拭えた訳では無いが、やる事がある以上何時までも浸っている訳にもいかない。
皆アルルの言葉に従い、次の目的地に向け船を操作する………リュカですら!
そして皆が叫ぶ…
「貴方は何もしないで下さい!!」
<海賊のアジト>
たとえ悲しみに暮れる航海であっても、日没は平等に訪れる…
日も沈み周囲が漆黒の世界に変わる頃、アルル一行は次なる目的地へと到着する。
其処は遠くから見ただけでは普通の建物だが、中に入ると世界が変わる!
中には荒くれ者を絵に描いた様な厳つい顔の男達が、所狭しと闊歩している!
皆、日に焼けた浅黒い肌をしており、不精髭を生やし清潔さとは縁遠い存在だ。
「うわぁ…俺、こう言う人達は苦手だなぁ…」
ウルフは海賊達の悪人面を見て恐怖し、リュカの影に隠れる様について行く…
「僕も苦手だなぁ…こう言う不潔そうな連中は!………何より臭いよ此処!」
リュカなどは不衛生な出で立ちに嫌悪し、遠慮することなく文句を付ける!
そして大勢の極悪人面に一斉に睨まれるのだ。
「おう!何処の貴族様が迷い込んだのかと思ったら、カンダタじゃねぇか!!聞いたぞ、おめぇ心入れ替えて、勇者様一行と共に世界を救う旅に出たんだってなぁ…がはははは!おめぇが正義の味方になれるわけねぇだろ!何勘違いしてんだぁ!?」
一人の海賊がカンダタに近付き、侮辱して大爆笑する。
カンダタ自身は、それに文句を言うでもなく、愛想笑いでやり過ごそうとした。
そんな海賊に怒りを感じたアルルが、カンダタに変わり文句を言おうとした瞬間!
「お前…口臭いから、こっち向いて笑うなよ!て言うか息するな!」
リュカがお得意のナチュラルな挑発を行った!
咄嗟に反応したのはティミーとビアンカで、マリーを抱き上げリュカから離れる!
安全な距離まで避難して、振り返った時にはリュカを中心に大乱闘になっていた!
そして巻き込まれるアルル達…
「お前達いい加減にしな!!」
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