第八話 エレメントチップ
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情をしていたので、きっとその人物はもういないのだろう。
「分かった、大事に使う。こいつで必ずセルパンを倒してみせるからな」
自分にプレリーの恩人の形見とも言える品を渡してくれたのだから、プレリーの期待に応えようとヴァンは意気込む。
「プレリーお姉ちゃ……あ…」
向こうから聞こえた子供特有の高い声に二人が振り返る。
「あら?サルディーヌ、どうしたの?」
「子供?まさか、あの子もガーディアンなのか?」
「ええ、非戦闘員だけど…」
プレリーとヴァンの視線がサルディーヌと呼ばれた男の子に向けられた時、ヴァンの視線から逃げるように物陰に隠れた。
「サルディーヌ…どうして隠れるの?」
隠れているサルディーヌに歩み寄り、プレリーがどうして隠れるのか尋ねる。
「だって、怖いお兄ちゃんがいるんだもん…」
モデルOの異質さはこの場にいる誰もが感じているが、まだ幼い上に実戦経験もないサルディーヌはそれを強く感じ取ってしまっているのだ。
「ああ…大丈夫よサルディーヌ。彼はヴァン、エールの幼なじみでとても優しい人なのよ。特殊なライブメタルを使っているから少し怖いと思うのかもしれないけど、私達に協力してくれてるの…彼は必ず私達を助けてくれるわ」
「うう…」
それでも恐怖は消せないのかヴァンにどうすれば良いのか悩んでいるようだ。
「おい、プレリーに何か用があったんじゃないのか?」
サルディーヌはプレリーを呼んでいたので、プレリーに用事があったんじゃないかと尋ねると、思い出したようにプレリーの方を向いた。
「プレリーお姉ちゃん、実は僕のオモチャがなくなっちゃって…」
「そうなの…でも…」
この後、自分も用事があってサルディーヌの探し物に付き合うことが出来ない。
「プレリー、俺がサルディーヌの探し物に付き合うから…プレリーは自分の仕事をしてこいよ」
「ヴァン…良いの?」
「良いさ、エール達が帰るか、イレギュラーが現れるまでやることもないしな」
「それじゃあ、お願い出来る?サルディーヌ、ヴァンが手伝ってくれるそうだから迷惑をかけちゃ駄目よ?」
「う、うん…」
「ほら、行くぞ」
オモチャを探しに行くヴァンとサルディーヌの姿を見て、プレリーの脳裏に昔の自分とあの人との思い出が甦る。
「(懐かしいな…私も今のサルディーヌの時みたいな頃…お姉ちゃんから貰ったぬいぐるみをなくしちゃって、あの人に一緒に探してもらったっけ………お願い、ヴァンを助けてね)」
懐かしい思い出を振り返りながらも、プレリーはもういない彼に願った。
「サルディーヌ、お前が最後にオモチャを持って遊んだ場所はどの倉庫なんだ?」
「え?」
「通路で落
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