第10話 イタリカ戦 後半戦
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の世界の戦争の常識からすれば"超"好条件もいいところであった。
しかしそんな"超"好条件に異を唱える者が1人だけいた。
「なっ、何だこれは!?!?」
ピニャは立ち上がって叫んだ。3つ目や6つ目の条件に関して異論はないがそれ以外はイタリカを占領するものであり、帝国の"皇女"として飲めるものではなかった。ましてやイタリカは帝国の交易の主要都市であり穀倉地帯としての役割も担っている。ここを失えば最悪、帝国が干上がる可能性があるので絶対に譲ることができなかったのだ。
「何か問題でも?」
千堂はピニャの方をジロリと見る。千堂からすればこれはショッカーとイタリカとの交渉であるわけなので本来、帝国の皇女であるピニャが介入する道理はないと思っていた。
「問題大アリだ!治安維持の為に進駐するとあるが実際にはイタリカが占領されるということではないか!?こんなもの到底飲めない!!」
「"姫様"、お忘れですか?我々ショッカーと帝国は戦争状態にあるのですよ?これぐらいの要求は当然です」
「し、しかし……」
「不満があるようなら我々と戦いますか?それならそれで我々は構いませんが……」
千堂はにこやかに微笑みながら冷徹に言い放つ。
(拒んでも武力で占領するというのか…先程の力を振るわれたらイタリカなぞ容易く陥落してしまう)
ピニャは説得を諦めて悔しそうに書面に自身のサインをした。その下の空欄に領主であるミュイのサインもし、ショッカー側の代表として千堂もサインする。ショッカーとイタリカの"話し合い"はその場で終了した。
「それでは当主ミュイ様並びにフォルマル伯爵家の皆様、我々ショッカーとイタリカの末永い友好を期待します」
にこやかに千堂は微笑むと部下を引き連れて謁見の間から出ていった。
千堂の微笑みがフォルマル伯爵家の面々にはこれからの希望に満ちたものに見え、ピニャには帝国を滅ぼさんとする悪魔の微笑みに見えた。
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