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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
第2部
取り残された者達……。後編
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が赤ん坊の様にぐずり泣きしつつ、他のウィッチ達の陰に隠れて、敗戦処理に当たっていたりと、様々な光景が広がっていた。
「あ、あの此処は?」
「当初の合流予定ポイントだ。よく此処まで無事で居れたな、大した嬢ちゃんだ!」
そんな光景の数々を冷えた頭で見ながら、問い掛ける私にそう言ってアポリー中尉は、軽く笑いながら私の肩をポン!と叩く。
その感覚を感じながら、私はアポリー中尉に問いかける。
「あの……ジャック中佐は?」
「ん?あぁ、そこでちょっと応急手当を受けているよ。脱出の際に少なからず負傷したみたいで」
「そう……ですか……。あ、水筒、ありがとうございます」
私はそう言ってアポリー中尉に水筒を返しながら、ジャック中佐の元へと向かう。

向かった先にいたジャック中佐はアポリー中尉の言う通り、先程の脱出戦で負傷したのか、衛生兵による治療を受けていた。
「あい゛だああ゛あっ!」
「中佐、動かないでください!!」
「んなこと言ったって、消毒液が染みて痛いんだよ!」
「子供じゃないんですよ、ちょっとぐらい痛いのは我慢してください!!」
「痛いもんは痛いんだよ!!」
「中佐は十二分に軽傷なんですから、我慢してください!手足を失った者も大勢いるんですからね!!」
「ヘイヘイ……」
そうやって衛生兵と軽く痴話げんかみたいな物をしながら、衛生兵から治療を受けたジャック中佐は治療が終わり次第、ボーガンを手にゆっくりと立ち上がる。
「これで終わりか?」
「はい!」
「よし……そろそろ移動するから、お前は他の負傷兵の容態を確認してきてくれ。特に問題がないなら、他の衛生兵に移送準備に入る様に伝えろ。あとアポリーにもだ」
ジャック中佐から、そう指示を受け、中佐の治療に当たっていた衛生兵は「了解です!」と言いつつ、負傷兵たちの集められた場所へと走っていく。
その様子を見ていたジャック中佐は今度は私の存在に気付いたのか、「お!」と短く呟きながら、私の元へとやってくる。
「よー、准尉。無事に此処まで来れたか」
「えっ、えぇ……なんとか」
「運が良いと言うか、悪運強いと言うかねぇ……」
「この時代に銃じゃなくて、剣と弓矢で戦うジャック中佐の方が、私よりよっぽど悪運強いと思いますよ」
「ハハッ、言うね」
そう言って私の悪態とも、ジョークとも、ブラックジョークとも付かない言葉に軽く乾いた笑い越えを上げる中佐。

剣と言い、弓矢と言い、持ってはいないけどバグパイプと言い、噂ではチラホラ聞いていたけど、此処まで型破りな人物とは思いもしなかったなぁ……。
だけど、そんな型破りな人だからこそ、こんな状況においてでも、折れることなくリーダーシップを発揮し、部下達も安心して付いていけるんだろう。

そんな奇妙な物を見るような妙な気分と、不思議な安
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