疾走編
第二十三話 兆候
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に帝国軍がいる事になる」
シェルビー大佐の顔が青い。大佐、あなたの失敗ではないんですから、顔色変えなくても大丈夫ですよ。
「提督、念のため過去に哨戒行動を実施した艦隊に問い合わせておりますが、返信が揃うのは早くても一時間はかかるかと思われます」
「了解した。大佐、現在の情報で考えられる事は?」
「敵が侵入しているのは間違いないでしょう。こちらのセンサーにひっかかっていない事から、少数または単艦での星系調査か航路調査ではないでしょうか」
「そうだな。となると、侵入した敵がどこに居るかじゃが…」
ああ、やっと繋がった。こんな事、司令部スタッフにやらせればいいのに。
「あ」
”あ、じゃないだろう“
「…いえ、勤務中のお姿を拝見するのは久しぶりなもので。お元気ですか、ヤン中佐」
”わざわざ挨拶の為に私用で旗艦からFTLを使っている訳じゃないだろう?何か、あったのかい?“
「以前、第八艦隊もこちらの哨戒に出ていましたよね?その時、戦闘またはその兆候、特にヴァンフリート星系近辺で何かありましたか?」
”少し待ってくれ。検索は苦手でね“
「…知ってますよ。出来るだけ急いでください」
”知ってますよ、って…何があったんだ?“
「現在我々はヴァンフリート星系に居るのですが、帝国軍の稼働中のガイドビーコンが発見されたのです。ビーコンの稼働時間は短いですから、最近設置されたのか、それとも時間差をつけて動き出したのかを調べるために、過去に哨戒に当たった艦隊全てに照会している最中なんですよ」
”なるほどね。君も知っている通り私じゃ時間がかかるから、校長…じゃなかった、シトレ提督にワケを話して再度こちらから連絡するよ“
「了解しました。お願いいたします」
”頑張れよ。じゃまた後ほど“
3月15日14:25 バーラト星系、ハイネセン、統合作戦本部、宇宙艦隊司令部、第八艦隊地上作戦室
ヤン・ウェンリー
「知っています、は良かったな、ヤン中佐。それにしても君はまだ私の事を校長と呼ぶのかね?」
「はあ、中々昔のクセが抜けません。ところで提督、通信の内容はお分かりになられたと思うのですが」
「そうだな。司令部のスタッフに当たらせよう…あの大尉が例のウィンチェスター大尉か?」
「はい、私なんかよりよほど優秀です。エル・ファシル以来親しくさせてもらっています」
「多分、君とは優秀の向きが違うだけだろう。今度会わせてくれないか」
「はい。後でまた聞いてみます」
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