疾走編
第二十三話 兆候
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はっ、どうも帝国製には間違いないとピアーズ分艦隊司令より報告が来ております」
「バルクマン、皆を集めよ」
「はっ。そう申されると思いましたので、司令部参謀の方々には既に中央艦橋に集まるように伝えてあります」
”提督、報告は既にお聞きおよびですか?“
「うむ。ピアーズ司令、帝国製のガイドビーコンというのはどういう事かね?」
“はい、我々は現在ヴァンフリートYの公転軌道付近にいます。以前の戦いか何かの時に帝国軍が設置した物ではないかと思ったのですが、回収後調べたところ、稼働中だったという事から最近設置したものであると思われます。無論、以前から設置されていて時間差をつけて稼働を始めたのではないか、という可能性も捨てきれませんが”
「最近はこの辺りでは大きな戦いは起きてない筈じゃが…」
“仰る通りです。両軍の兵力が千隻を越える大規模戦闘は、エル・ファシル再奪取時にエル・ファシルで、その後はイゼルローン前哨宙域で三回。昨年末から現在にかけては帝国軍と遭遇しておりません”
「そうじゃな。この艦隊が哨戒活動を始めた昨年の十一月以降は小規模な遭遇戦すら無い。エル・ファシル再奪取後は、この辺りの哨戒はどこが行っておったかの」
”再奪取後からの時系列ですと、第二艦隊、第一艦隊、第八艦隊、JSSF、第十一艦隊です。問い合わせますか?“
「それはこちらでやっておこう。貴隊はマクガードゥル分艦隊と連繋して調査を続行、そのままイゼルローン前哨宙域に向かえ」
“はっ!前哨宙域で会敵したならばどうしますか”
「会敵した場合はそれぞれティアマト、アルレスハイムに急速に転進せよ。それぞれがどちらに向かうかは貴官とマクガードゥル司令に任せる」
“急速に転進…なるほど、了解いたしました”
3月15日14:05 ヴァンフリート星系、ヴァンフリート[近傍、EFSF旗艦リオ・グランデ
ヤマト・ウィンチェスター
なんだなんだ?ガイドビーコン?
「少佐、ガイドビーコンって文字通り誘導標識ですよね」
「ああ、後続の部隊に安全な進路を示したりする為に置くのさ。あれ、ウィンチェスター?知らなかったのか?」
「以前の艦隊勤務ではまだ砲術科下士官でしたから、恥ずかしながら…」
「…ああ、そういえばそうだったね。それに砲術科じゃ関係ないもんな。ガイドビーコンを使うのは主に帝国軍なんだ。奴等は同盟側のまともな航路図がないからね。この星系やダゴンだとよく使うだろうな」
「なるほど」
「放っておくと内蔵電源が切れるまで定期的に電波を発信し続けるから、見つけたら破壊か回収するんだ」
「電源はどれくらいの期間持つんです?」
「確か170時間…約一週間だね」
「…という事は一週間以内に設置したことになりますね」
「そうだな…近く
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