暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga3-Bアインハルトの苦悩〜Slight advance〜
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†††Sideアインハルト†††
ルシルさんからの精神攻撃を振り払うかのように構えを取った私は、“エヴェストルム”を指環という待機形態に戻し、徒手空拳の構えを取ったルシルさんを見つめる。私にとってもルシルさんにとっても有利となっていた“エヴェストルム”の間合いがなくなったことで、懐に入ってルシルさんの攻撃に制限を掛けるという手はもう使えない。
(初めて見る構えですが、それを警戒するばかりでは勝てない・・・!)
右腕は下ろしてはいますが僅かに前に出して、左腕は脇を締めるという構え。その場に留まっているときは小さく跳ね続け、移動するときは必ず右足から出し、足をクロスするかのように前進後退をする歩法。
とにかく一足飛びでルシルさんへと突撃し、渾身の右拳直打を繰り出す。ストライクアーツの用語でいうヘッドスリップ(上半身を捻って頭部を左右に揺らして回避する防御術)で拳打を回避したルシルさんは、即座に私に向かって左拳直打を繰り出しました。
「くっ・・・!」
体の前にまで上げてグッと曲げた左前腕で受け止め、左腕を外に払ってルシルさんの左拳を弾き、戻したばかりの右拳による直打を繰り出す。ルシルさんはサイドステップで私の右側へと移動し、「せいや!」即座に中段の後背蹴打を放ちました。
「ぐぅ!」
私の攻撃と同時に繰り出された蹴打。攻撃に入った瞬間を狙われて直撃を許してしまった。蹴り飛ばされた私は前のめりに転倒する前に両手を地面に付いて跳ね、勢いを殺してから体勢を立て直して着地。すぐにルシルさんへと顔を向ける。
「アインハルト。逃げない、はぐらかさないと約束してくれるなら、俺も話を中断する・・・よっ!」
そう言って小さく跳ねていたルシルさんが突撃してきた。やはりあの跳ねは、突撃のタイミングを相手に見切らせないためのもの。ルシルさんが最接近すると同時に繰り出した右拳昇打を、上半身を反らして回避する防御法スウェーで躱し、直後の打ち下ろしの左拳降打をサイドステップでさらに躱し、即座にルシルさんの顔を狙って右拳廻打を打ち込む。
「おぶっ」
ルシルさんの左頬に直撃させることには成功しましたが、殴られた勢いのまま旋回しての後背蹴打をまた「あぐっ!」私の背中に打ち込んできました。前に向かって蹴り飛ばされてしまうけど、受け身を取ってすぐに立ち上がれば、ルシルさんはもうすぐ目の前にまで来ていました。
「せいっ、はあ!」
「っ!(重い・・・!)」
繰り出された容赦のない二段蹴打を、胸の前で十字に構えた両腕で防御。二段蹴打は初撃を軽いフェイント、2撃目を本命として相手を打つものですが、ルシルさんのフェイントの右脚蹴打だけで両腕が痺れてしまい、本命の左脚蹴打で完全に防御を崩されてしまった。追撃が来る前にバックステップで
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