暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga3-Aアインハルトの苦悩〜Pain of a memory〜
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だけは避けたい。

「はっ! せいっ! たあっ!」

「くぅ・・・!」

ルシルさんの横薙ぎと刺突の連続攻撃を紙一重に躱しつつ、攻撃の機会を伺います。ですが、断空に必要な力を練り上げるための起点となる足をこうも狙われては・・・。

「断空。その威力は素晴らしく、これからまだまだ伸びていく強力な武器だ。が、今のように君の動きを制限すれば、断空による攻撃は基本的に防げる。上位競技者なら、その弱点をすぐに見破るだろう」

「ならば!」

ルシルさんへの接近を中断し、私は一足飛びで距離を開ける。ルシルさんの追撃が来る前に、覇王流の数少ない中距離攻撃、衝撃波を飛ばす「覇王空破断・改!」を打ち放つ。

(刺突によって伸びきった腕で空破断を迎撃できるだけの威力を持つ斬撃は振るえない。ならばシールドか回避かを選ぶはず!)

その僅かな猶予の内に一撃を打ち込むために私は突進。ルシルさんは迫る空破断を前面に展開したシールドで防御しました。そんなルシルさんの右側へと回り込んだ私は、「はっ!」攻勢に出る。“エヴェストルム”は2m以上もある槍です。懐に入ってしまえば薙ぎ払われることはありません。

「ところで、アインハルト。君、何か最近、ヴィヴィオ達に壁を作っているそうだな」

――ゲブラーフォルム――

「っ!?」

ルシルさんの言葉と同時に“エヴェストルム”が柄の中央で分離し、双槍から双剣となりました。右の剣の腹で私の拳を受け、左の剣で攻撃を仕掛けてきました。

「試合中なので! 今は!」

大振りな振り下ろしだったので僅かに横にズレることで回避。私の拳を受けた右の剣を外側に弾くように腕を外に払うルシルさん。地面を穿った左の剣が私に向かって振り上げられようとするのを片足で踏みつけて阻止すると同時、「おっと」とルシルさんが剣を手放しました。

「でぇぇぇぇい!」

残る右の剣による攻撃が出来ないようルシルさんにインファイトを仕掛ける。射砲撃による強制的な間合い取りも行えるはずなのですが、ルシルさんは射砲撃を使わず、足捌きのみで間合いを開けようとしています。甘く見られているのか、少しばかりムッとしてしまう。

「先ほどの続きだが、無限書庫でヴィルフリッド・エレミアの手記を読んでからだそうだな」

「い、今は・・・今は!」

なぜ、このタイミングでその話をしてくるのでしょうか。私は今、ルシルさんとの手合わせだけに集中したいのに。私を苛む悩みを忘れて闘えると思ったのに。ふつふつと湧き上がる怒りのような、悔しさのような、嫌な気持ち。

「私との手合わせに集中してください!」

そんな嫌な気持ちを拳に乗せて繰り出す。ルシルさんは空いている左手で私の拳を受け止めるとギュッと鷲掴んで、「集中しているとも。ただね・
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