艦娘とスイーツと提督と・57
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施す。その後も近接戦闘として格闘術・刃物をベースとした武器術等の訓練を行うんだが、最近はウチ程では無いにしろ艦娘にそういう技術を教える鎮守府が出てきた。そこで、パイオニアたるウチの鎮守府の艦娘達に教官として一時的な出向要請が出された。断る理由も無かったので受け入れたが、問題は教官役。ウチの訓練に順応出来た奴でも、他人に教えるとなると多少頭のネジが足りないのがチラホラいた。そんな中、響は訓練に於いて素晴らしい順応性を見せた上にその後も新規着任の艦娘達に訓練を施す教官役をやらせてみるとこれが上手いこと嵌まった。何しろ、適度に跳ねっ返りの心をへし折りつつ、限界ギリギリまで追い込むが、決して無茶はさせない。正に理想的な鬼教官だった。神通でもいいが、アイツは自分を基準に置くからちょくちょくやり過ぎるんだよな。下手すりゃ新人を壊しかねない。その辺を考慮して響を1ヶ月程各地の鎮守府に出向させてたってワケさ。そして先週帰ってきたんで、2週間の休暇をやった。まぁ、その休暇の前半はガングートの奴に飲まされまくって具合の悪い最悪の休暇を過ごしたらしいが。
「暫くは雷が朝ごはんを作ってくれてたんだけど、今日ついに愛想を尽かされてね」
「雷が匙投げるとか相当だな」
「そりゃあ、自分達が起きる時間まで飲んだくれて帰ってきて、昼過ぎまで寝ていて、起きたら食事を求められたら……ね?」
「寧ろ4〜5日やってくれただけでも奇跡に近いな」
「だろう?だから今日は司令官にご飯を集りにきたのさ」
「まぁ、チケット持ってきてるし別に構わねぇけどよ……」
そう言って暫く2人で他愛もない会話を交わしながらブリヌイを食べ進めていく。響はサワークリームにガングートから貰ったのだというキャビアを乗せて、俺はスモークサーモンにクリームチーズ、スライスした玉ねぎを乗せて。少し小洒落た昼飯だが、たまにゃあこういうのもいいだろう。
「ふぅ……美味しかったよ、御馳走様」
「そうか?まだ生地が残ってるからデザート用にもう少し焼こうと思ってたんだが」
「勿論、デザートは別腹さ」
「調子のいい奴め」
再び厨房に立ち、残った生地でブリヌイを焼き上げる。そこにバターを塗って染み込ませ、ジャムやクリーム、フルーツ等を乗せてやればデザートの完成だ。
「うん、やはりブリヌイにはロシアンティーが合うね」
「しかし、ロシア人はジャムにまでウォッカを入れるとはな」
「提督の中には紅茶にブランデーを入れてるのか、ブランデーに紅茶を入れてるのか解らない様な飲み方をする人もいるだろ?」
「ヤン・ウェンリーは物語の中の人間だろが」
ロシアンティー、と聞くとジャムを紅茶に入れて飲むと思われがちだが、実際の所はウォッカで延ばしたジャムを
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