第11話 明智五郎編
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〜2年前〜
横浜湘南海岸
太宰がいつものように自殺に慎み、国木田がそれを連れ戻しに来た時のことだった。
浜辺に打ち上げられた人らしき物体を目にしたのは。
「お、おい!大丈夫か!?」
国木田が声をかけるも起きる気配はない。
息はしているようだが、衰弱が激しい。少しでも遅れると手遅れになりかけない。
その様子を太宰にしては険しそうな表情をしてた。
「(こいつはつい最近まで騒がれた、探偵王子?でもなぜここに?それこの衰弱の仕方。いやそれより・・・・・)国木田君!!ゆっくりだけど早く抱えて今から事務所に行こう!!今日は与謝野君は?」
「今日は、非番だったはずだが・・・・・」
「仕方がない・・・急患だ。休みのところ悪いが出社してもらおう。それと、念のため鴎外先生にも来てもらおう」
いつになく真剣な表情の太宰は出社の胸を与謝野に伝え急患診察準備の指示を出しているのを横目に見ながら、自身の車へ急ぐのだった。
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診察中のランプが消え与謝野と鴎外が出てくる。
「どうでした?」
「外傷がない上にそれでも着々と近づく死の音。かなり大変だったけど、何とか死ぬことはないだろう。」
「ただ、いつ意識が戻るかはわからない。」
「そうか・・・・・・」
うぅむ、国木田がうなる。
「とにかく、会議室に戻りましょう。」
会議室には今回の件で非番の幹部を含めて全員を集めた。
「えぇ・・・・・今回俺たちは・・・・・」
ことのあらましを説明する。
「・・・・・・というわけで、命に別状はなくなったがいつ意識が戻るかどうか分からない。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
全員が沈黙する。
「・・・・・・・・そもそも、あいつが誰なのかさえ分かっていない状況だ・・・目覚めるほかない。」
「!!(そうか俺の異能が認知を打ち消したんだ。それは幸いだったな。)」
口々にそうだなというメンバー。そして自室や仕事に戻っていく。
「・・・・」
「どうしたんだい。敦君。」
「・・・・・いえ、あの人のことどこかで見たような気がして・・・・」
「敦君もかい?実は俺もなんだよ。」
なんかもやもやしている気がして・・・・・・
「!!(そうか・・・・すべてが忘れるわけじゃない・・・・・)」
近くで珍しく真剣な表情をしている乱歩を見た。
「・・・・・・・乱歩さん」
「太宰は、あいつのこと知ってる。・・・・・靄が晴れないんだ。こんなにもやもやしたの初めてでね」
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