第三章
[8]前話
「お互い様ね」
「そうならなかったらいいわね」
「どうかしらね、じゃあ今日もね」
「帰ったらなのね」
「この子、雄で名前はニコライって付けたけれど」
「その子となのね」
「遊ぶわ、お散歩に連れていくわ」
菜々緒に楽しそうに話した。
「そうするわね」
「お互い何かそうした相手見付けたわね」
「みたいね、まあ三十代でも結婚出来るし」
今はというのだ。
「この子のお世話していくわ」
「そうするのね」
「ええ、お互いにね」
こう話してだ、そしてだった。
菜々緒も夏菜子も家に帰るとそれぞれ楽しんだ、そうした日々を送っていると。
菜々緒は自分も猫を可愛がっているという上司と猫の話をしてからそこからだった、縁が出来てそうしてだった。
結婚することになった、そして夏菜子もだった。
お見合いをした相手がたまたま犬好きだったのでそこから仲がよくなり結婚することになって実家の犬を新居に連れて行って一緒に暮らすことになった。
そうしてだ、二人はそれぞれの猫と犬を連れてだった。
会って話をした、華奈子は菜々緒の腕の中のユキを見て言った。
「よかったわね」
「ええ、この子が縁になってなんてね」
「あんたにとってユキちゃんが福の神ってことね」
「そうなるわね」
「ミャア」
ここでユキも楽しそうに声をあげた、そのユキを見つつ。
菜々緒は夏菜子の横にいるニコライを見て言った。
「それであんたにとってね」
「そう、この子がね」
夏菜子もニコライを見て言う。
「福の神になったわ」
「そうみたいね」
「ワン」
そのニコライも応え様に楽しそうに声をあげる、その彼を見てだった。菜々緒は笑顔で今度はこう言った。
「お互い福の神に出会えたわね」
「そうね、本当に」
「結婚は駄目かなって思ったけれど」
「それがね」
「かえって結婚出来るとか」
「やっぱり動物とは一緒にいるべきね」
「そう思うわ、若しこの子達と出会えなかったら」
どうなっていたか、菜々緒は言った。
「楽しい日々は送れなくて」
「結婚どころかね」
「どんな生活だったか」
「味気ない生活だったわね」
「本当にそうなっていたら」
「そう思うとね」
「出会えてよかったわ」
心から言い合った、そして今度は結婚のことを話した。そうしつつお互いの福の神を見て笑うのだった。
それぞれ引き取って 完
2020・4・23
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