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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十二話 展望
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した”
「愉快なる航海か。宜しい宜しい」
「ありがとうございます」

 副官任務は楽しい。
この任務が楽しい理由は、ほとんどビュコック提督の人為によるところが大だ。強烈な上官だったらと思うと、ゾッとする。
”大事なのは失敗しないとか旨くやる事じゃない、確実にこなす事なんだ“
ヤマト、お前が同期で、そして一緒に居てくれてよかったよ。
「バルクマン、貴官はこの艦隊を見てどう思うかね?」
「正直に申し上げるべきか、言葉を飾るべきか、迷っております」
「何故かね」
「は、小官は司令官閣下の副官ではありますが、艦隊には小官より上位者の方々が多数いらっしゃいます。小官の申し上げる事がその方々への誹謗中傷にならぬか、と心配している次第でありまして」
「ふむ。貴官の気持ちもよく分かる。じゃがの、副官は一番身近な話相手じゃ。好きな事を言ってもいいと儂は思うておる。上官を諫めねばならん時もあるからの、好きな様に物を言える様にならんとな、大尉」

好きな様に物を言え、か。それが出来たらなんと楽な事か…ん?相手の地位に遠慮するな、と言う事か。
「閣下、ヴァンフリートに向かってはどうでしょう?」
「何故かね?」
「我が艦隊は全体では四千隻と一応の数ではありますが、哨戒任務を主にする艦隊ですので、今後戦力を分散せねばなりません。という事は会敵した場合、それぞれが少ない兵力で敵と対峙しなくてはならない、という事です。となると、味方にせねばならないのは地の利です。ヴァンフリートは両軍共に敬遠する程の場所ですので、そこに習熟するだけでも艦隊の財産になるのではないでしょうか」
「なるほどのう。戦いづらい場所も味方にせねばならんか。よし、ヴァンフリートに向かうとするか」
「ありがとうございます!」
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