第9話
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ーーー生きとし生けるもの、全てを喰らい尽くせ!!!
『ア゛ア゛ア゛ァァァァアアァッッ!!!??!!!!!!?!?!?!』
ウォッチから促される本能の叫びが、身体を、骨の髄まで貪られる。両手を広げ、黒いオーラがアナザージオウの周りを囲い、閉じ込める。 その異様な光景に、周りにいた者は皆手を止め、言葉を失う。
『はァ・・・・・・ぁっ!! がはっ・・・・・・!!!』
想像を絶する痛み。 だが、アラタは苦悶の嬌声は上げても、心だけは折れない。 今までの彼ならば、途中で力尽き、アナザーライダーの力に身を飲まれただろう。だが、今の彼は違う。
レジスタンスの仲間が。琴音が。守るべき者が出来た。故に、彼は足を、抗う事を止めやしない。 この戦いに身を投じる当事者としての責任として。
誰かの笑顔を、守るために。
『うぐっ・・・・・・おおおおおっっっ!!!!』
そんな彼の気持ちに呼応するかの如く、黒いオーラは、配管パイプの様にアナザージオウを囲い……赤と青の、ハーフボディへと代わりーーー。アナザージオウの装甲を上書きするように纏う。
《BUILD・・・・・・!》
外見はアナザービルドであるものの、ベルトは歪んだビルドドライバーではなく、黒いジクウドライバーのまま。 彼はライダーであらずとも、ライダー足り得る精神力で自我を保ったまま、さしずめ『アナザージオウ ビルドフォーム』に転身を遂げる。
アナザージオウBとなったアラタは、指を歪んだ兎の角をなぞり、呟く。
『勝利の法則は決まった、てな』
アナザージオウBが右足を前へと突き出し、後ろの左足に力を込めるーー歪んだラビットシューズがバネのように伸縮し。それを解放させて、アナザーエグゼイドとの距離を瞬時に縮める。
『??ッッ!?』
『よっ、はっ!!』
ラビットとタンクの力を秘めたラビットタンクフォーム。 素早さに優れるが火力に劣るラビットと、素早さを削る代わりにパワーがあるタンクは、互いのデメリットを打ち消すベストマッチフォーム。 アナザービルドの姿になってもその力は健在であり、素早い打撃と、重一撃が交互にアナザーエグゼイドを捉える。
『??ッッ・・・??ッ!!!』
『オラァっ・・・・・・!!』
蓄積したダメージに膝を屈するアナザーエグゼイドに、右足で回し蹴りを放つ。アナザーエグゼイドはそれを止めようと足を掴むが、生憎とその足は戦車の力。足裏のキャタピラが高速回転し、アナザーエグゼイドの装甲を削り、強引にそのまま足を振り抜く。アナザーエグゼイドは威力を殺しきれず、きりもみ回転しながら瓦礫の山へと衝突し、余波で粉塵が飛び散る。
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