暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第2楽章〜ネフィリムの目覚め〜
第10節「終焉を望む者、終焉に臨む者」
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!』

まずい。このままでは追い付く前に海へ出られてしまう……ッ!

その時、叔父様から飛ばされた指示は、驚くべきものだった。

『──司令ッ!?』
『そのまま、飛べッ! 翼ッ!』

(飛ぶ……ッ!?)
『海に向かって飛んでくださいッ! どんな時でもあなたは──ッ!』
(そうだ……私はもう──ッ!)

その言葉の意図を考えるより先に、緒川さんからの通信が、私の心を奮い立たせた。

叔父様からの言葉通り、桟橋を勢いよく駆け抜け、眼前に拡がる海原へと飛ぶ。

「幾千、幾万、幾億の命 すべてを握り締め振り翳す──」

両足のブレードを展開、滑空用のスラスターを全開にして距離を稼ぐが、それでもなお届かず……ッ!

万事休すかと思われた刹那、水面の底より来る黒影が、墜ち行く私の下へと見えた。

『仮設本部、急速浮上ッ!』

浮上せしは二課仮設本部、既に見なれた潜水艇。

弦十郎叔父様が、兄である九皐叔父様より賜わった艦の船首が今、空へと向けて現れる。

「今宵の夜空は刃の切っ先と よく似た三日月が香しい──」

船首を足場に、再び空へと羽ばたく! 届いたッ!

「伊座、尋常に……我がつるぎの火に消え果てよぉぉぉぉッ!」

振り抜いたアームドギアにてノイズを両断。ノイズは炭素と砕け散り、海の藻屑と散った。

そして、ノイズを滅した事でケージは真っ逆さまに海へと墜ちてゆく。

今度は落下の勢いも利用した上で加速ッ!
これで届く──ッ!

ケージに向かい、真っ直ぐに手を伸ばす。

その刹那、突然現れた気配が私の知覚を突いた。

「──ッ!? ぐあッ!?」

先程まで一切察知出来なかった、まるで突然その場に現れたとしか思えぬ気配。

対応が間に合わず、私は吹き飛ばされ、水柱を上げて海へと落下した。

私の行く先を妨げたのは、つい先日相見えたばかりの黒き“烈槍”。

水面を抉り、真っ直ぐに浮遊する槍の石突に降り立つのは、やはり──

「──翼さんッ!」
「あいつは……ッ!」

黒いマントのガングニール……マリア・カデンツァヴナ・イヴッ!



「時間通りですよ、フィーネ……」
「フィーネだとッ!?」

真っ先に反応したのはクリスだった。

響と翔に拘束され、両腕を後ろ手に縛られているウェル博士。
ソロモンの杖はクリスが没収し、四人の装者達は翼を追って桟橋まで移動していた。

その目の前に現れた、黒きガングニールの装者……マリア・カデンツァヴナ・イヴ。

彼女をウェル博士は、確かにフィーネと呼んだのだ。

「終わりを意味する名は、我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある……」
「まさか……じゃあ、あの人が──」
「そんな、嘘だ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ