戦姫絶唱シンフォギアG
第2楽章〜ネフィリムの目覚め〜
第10節「終焉を望む者、終焉に臨む者」
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!』
まずい。このままでは追い付く前に海へ出られてしまう……ッ!
その時、叔父様から飛ばされた指示は、驚くべきものだった。
『──司令ッ!?』
『そのまま、飛べッ! 翼ッ!』
(飛ぶ……ッ!?)
『海に向かって飛んでくださいッ! どんな時でもあなたは──ッ!』
(そうだ……私はもう──ッ!)
その言葉の意図を考えるより先に、緒川さんからの通信が、私の心を奮い立たせた。
叔父様からの言葉通り、桟橋を勢いよく駆け抜け、眼前に拡がる海原へと飛ぶ。
「幾千、幾万、幾億の命 すべてを握り締め振り翳す──」
両足のブレードを展開、滑空用のスラスターを全開にして距離を稼ぐが、それでもなお届かず……ッ!
万事休すかと思われた刹那、水面の底より来る黒影が、墜ち行く私の下へと見えた。
『仮設本部、急速浮上ッ!』
浮上せしは二課仮設本部、既に見なれた潜水艇。
弦十郎叔父様が、兄である九皐叔父様より賜わった艦の船首が今、空へと向けて現れる。
「今宵の夜空は刃の切っ先と よく似た三日月が香しい──」
船首を足場に、再び空へと羽ばたく! 届いたッ!
「伊座、尋常に……我がつるぎの火に消え果てよぉぉぉぉッ!」
振り抜いたアームドギアにてノイズを両断。ノイズは炭素と砕け散り、海の藻屑と散った。
そして、ノイズを滅した事でケージは真っ逆さまに海へと墜ちてゆく。
今度は落下の勢いも利用した上で加速ッ!
これで届く──ッ!
ケージに向かい、真っ直ぐに手を伸ばす。
その刹那、突然現れた気配が私の知覚を突いた。
「──ッ!? ぐあッ!?」
先程まで一切察知出来なかった、まるで突然その場に現れたとしか思えぬ気配。
対応が間に合わず、私は吹き飛ばされ、水柱を上げて海へと落下した。
私の行く先を妨げたのは、つい先日相見えたばかりの黒き“烈槍”。
水面を抉り、真っ直ぐに浮遊する槍の石突に降り立つのは、やはり──
「──翼さんッ!」
「あいつは……ッ!」
黒いマントのガングニール……マリア・カデンツァヴナ・イヴッ!
「時間通りですよ、フィーネ……」
「フィーネだとッ!?」
真っ先に反応したのはクリスだった。
響と翔に拘束され、両腕を後ろ手に縛られているウェル博士。
ソロモンの杖はクリスが没収し、四人の装者達は翼を追って桟橋まで移動していた。
その目の前に現れた、黒きガングニールの装者……マリア・カデンツァヴナ・イヴ。
彼女をウェル博士は、確かにフィーネと呼んだのだ。
「終わりを意味する名は、我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある……」
「まさか……じゃあ、あの人が──」
「そんな、嘘だ
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