暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第2楽章〜ネフィリムの目覚め〜
第10節「終焉を望む者、終焉に臨む者」
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ンティストだ。話してわかる相手ではない!

「思うかよッ!」

雪音の怒りが、とうとう沸点を超えた。
迫るノイズに向けて、雪音が怒りのままにミサイルポッドを展開する。

「ッ!? ダメだクリスちゃんッ!」

純が止めるも間に合わず、ミサイルは発射された。
そして──

「ぐッ、うわあぁぁッ!」

次の瞬間、クリスが悲鳴を上げた。

ミサイルはノイズの方にこそ向かっていったものの、あらぬ軌道を描いて蛇行し、廊下を丸ごと吹き飛ばした。

『適合係数の低下に伴って、ギアからのバックファイアが装者を蝕んでいますッ!』
「ッ……純ッ! 雪音を!」
「分かってるッ!」

純がクリスの肩を抱える。

爆発で壁や天井が丸ごと吹き飛び、周囲が開けた状態になる。

既に明け方が近くなっており、空は明るくなり始めていた。

「くそッ……なんでこっちがズタボロなんだよッ!」
「この状況で出力の大きな技を使えば、最悪の場合、身に纏ったシンフォギアに殺されかねない……」
「絶唱でもないのに、技一つでこうも苦しむ事になるなんて……。どんなインチキしたらこんな事が……くッ……」

確かに、姉さんの言う通りだ。

まさか適合係数を引き下げられる事が、ここまで厄介とは……。
ウェル博士は一体どんな罠を仕掛けていたんだ……?

「あれはッ!?」

響が空を見上げて叫ぶ。

視線の先を見ると、気球のような外見のノイズが、先程のケージを運び去ろうとしているではないか。

「あん中には化け物が入ってるんじゃねぇのかッ!? くッ、海の方へ向かってやがる……ッ!」
「さて、身軽になった所で、もう少しデータを取りたい所だけれど……」
「貴様ッ! ノイズを囮にしたのかッ!」

アームドギアを収納し、拳握って構える。

すると博士は両手を挙げ、あっさりと降参した。

「おやおや、生身の人間を相手にギアを使うつもりですか? 降参、降参ですよ」

……何かあるのは間違いない。
狡猾なウェル博士の事だ、何か企みがあるはずだが……。

「爽々波、雪音を。翔と立花は、その男の確保を頼むッ!」

そう言って姉さんは、気球型ノイズを追って走り出した。

ここは任された。博士への警戒はまだ解けないが、不振な動きを見せる前に取り押さえる事にしよう。

それにこの様子、まるで抵抗の意味が無い、或いは必要が無いとでも言っているかのようだ。

どんな裏があるかは分からないが……姉さん、そっちは任せたッ!

ff

前方上空を洋上へと向かい飛び続けるノイズへと駆ける。

「百鬼夜行を恐るるは──」
(天羽々斬の機動性なら──)

『翼さん、逃走するノイズに追い付きつつありますッ! ですが──ッ
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