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バモンタンひゃくれつ観音!怒りのターボ説教が止まらない!!
釈迦牟尼の愛
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[9] 最初
に、どこへ?」
妻は営業休止要請を盾に怠けまくる一茶をなじった。
「ぃやっかましい! 槍でも刀でもねぇ。鉄砲が降ってくるんだぞ」
「あなた!本当は働くのが嫌なんでしょ」
「うるぇ…」
売り言葉に買い言葉。一茶が啖呵を切ろうとした、その瞬間。
タァン。
妻の胸元に大輪の薔薇が咲いた。即死である。
「おいっ!」
庵の外に不審な人影が消えていく。
「火縄銃ヤー、ユルサン!」
一茶は妻の亡骸を抱きしめて涙ぐんだ。



「で、このバカは筆一本でしゃしゃり出てきたって次第よ」
血だるまの一茶をボスらしき男が蹴り転がす。
「なーにが仏様の教えだ。メッタイだ」
火縄銃ヤーに「怒りや憎しみなどの感情にとらわれず、正しく善悪を見極める」と正思惟(しょうしゆい)―滅諦の一つだ―は通じなかった。
ペンは剣より強いかもしれないが、鉛のつぶてには勝てなかった。
さあ、どうすればいいのか。
仏陀の教えが通用しない。

「があhっはhっはhっはグーグル!」
火縄銃ヤーは哄笑しながら種子島の緑を踏みしだいていく。


さぁ、どうする。
さぁさぁどうする。

「よろしい。ならば、戦争だ」

バモンタンひゃくれつ観音が立ち上がった。衆生に期待できないのならば神仏が介入するしかない。

それで、今日も世界のありとあらゆる場所、津々浦々で銃弾が無辜の人々を撃ち殺している。

諸行無常、何事も永遠にはつづかない。
銃砲の天下もいつか終焉を迎える。釈迦の化身のひとつであるバモンタンひゃくれつ観音はそう悟った。

人はいつまで愚かな撃ち合いを続けるのか。

ひゃくれつ観音は放置する。
それがいわば説法なのである。身をもって知れ。
バモンタンひゃくれつ観音のターボ説教がとまらない。
今日もどこかで銃が吠えている。それは観音の愛でもある。
















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