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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第八十三話 呂布、あえて騙されるのことその十一

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「あの人もいないとな」
「そのうち会うんちゃうか?」
 ロバートは気軽な口調だった。
「あのおっさんのことや。死んでるとかはないで」
「そうだな。そうした人じゃない」
 リョウもいる。
「気付いたらあちこちにいる人だからな」
「どういう人なんですか?」
 陳琳もその彼に興味を持った。
「その藤堂さんという人は」
「香澄がいるわね」
 キングは彼女から話した。
「あの娘の父親なのよ」
「お父さんなんですか」
「ええ、そうよ」
 そうだというのだ。
「その人なのよ」
「ではその人もですか
「そう、格闘家なの」
 キングはこのことも話した。
「そうなのよ」
「そうなんですか」
「ただね」
 ここからがだ。本題だった。
「すぐに何処かにいなくなる人でね」
「何ちゅうかな。隠れキャラみたいなや」
「そういう人なんだ」
 ロバートもリョウもそうだと話す。
「探すのがちょっと苦労やけれどな」
「意外と色々な場所にいる人だ」
「ううん、やっぱり変わった人ですね」
 陳琳は興味のある顔で述べる。
「その藤堂さんは」
「変わってるっていうかな」
「永遠の行方不明者や」
 リョウとロバートはそうだというのだ。
「一体何処にいるのか」
「全然わからへんしな」
「それで何か話書けそうですね」
 こんなことも言う陳琳だった。
「藤堂師範を探す香澄さんを主人公として」
「実際にそうなっているわね」
 キングがここで言った。
「あの娘は」
「やっぱりそうなんですか」
「とにかく。あの人は行方がわからないのよ」
「そういえば店の経営どうなってるんだ?」
「それは奥さんがやってるぜ」
 ミッキーにジャックが話す。
「あの奥さんやり手でな。店が出来た時から切り盛りしてるんだよ」
「何だ、じゃああの人いなくてもいいんだな」
「店もな」
 そうだというのである。
「全然平気だったりするんだよ」
「全然立場ないんだな」
 ミッキーも首を捻りながら話す。
「そう思うと気の毒な人だな」
「そうだな。謎の失踪もしてるしな」
「まあ会えたら運がいい人だ」
 ジョンはこう陳琳に話す。
「そういう人もいるんだよ」
「わかりました。では御会いするその時を楽しみにしています」
 笑顔で応える陳琳だった。そんな話をしてだ。
 彼等は最初の関を抜けたことを喜んでいた。そして真の敵が誰なのかもだ。次第にわかってきた。この世界自体の敵が誰なのかをだ。


第八十三話   完


                      2011・5・17

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