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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第2楽章〜ネフィリムの目覚め〜
第9節「新校舎と新学期」
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金に関わるのだからね!」
「は、はい……気をつけます」
「よろしい。それでは次のページを、大野クン! ……の弟の方! 流星クン、読みたまえ」
「先生……いい加減紛らわしいので覚えてください」

先生は教科書を開きながら、教卓へと戻って行く。
三日後、か……。今日も午後からはリディアンで合同準備だし、向かう途中で差し入れでも買っていく事にしようかな。

ff

放課後、リディアン三年生の教室。

その片隅にて、装飾用の紙花や輪飾りを作っている生徒が五人ほど。

そのうち二人は、よく見知った顔である。
風鳴翼、そして新学期から二年生に編入したクリスだ。

何故二年生のクリスが、三年生の翼と同じ部屋にいるのか。
理由は暫く前に遡る。

学祭の準備の為、テープや画用紙を運んでいた翼は、廊下の角から走って来たクリスとぶつかった。

何事かと話を聞くと、どうやら学祭のイベントにクリスを参加させようとするクラスメイト達から逃げて来た、との事であった。

フィーネを名乗る武装組織が現れたのに、こんな事にかまけている暇があるのか、とも言っていたが、何処か言い訳臭い。

折角の学友達からの誘いに素直に乗れず、恥ずかしがっては逃げてしまう。
そんなクリスの姿に、翼は自分の作業を手伝う事を提案したのだった。

「まだ、この生活に馴染めないのか?」
「まるで馴染んでないやつに言われたかないね」
「フッ、確かにそうだ。しかしだな、雪音──」
「あ、翼さん。いたいた」

そこへ、翼のクラスメイトが三人ほど、入室して来る。

「材料取りに行ったまま戻って来ないから、皆で探してたんだよ?」
「でも、心配して損した。いつの間にかカワイイ下級生連れ込んでるし」
「皆、先に帰ったとばかり……」
「だって翼さん、学祭の準備が遅れてるの、自分のせいだと思ってそうだし」
「だから、私達で手伝おうって」
「私を……手伝って?」

それは、翼にとって意外な言葉らしく、思わずキョトンとしてしまう。

「案外人気者じゃねぇか」

翼の珍しい表情に、クリスはニヤニヤと笑いながら冷やかすように言った。

「でも昔は、ちょっと近寄り難かったのも事実かな〜」
「そうそう。ココーノウタヒメって言えば、聞こえはいいけれどね」
「始めはなんか、私達の知らない世界の住人みたいだった」
「そりゃあ芸能人でトップアーティストだもん」

そこで一度、クラスメイト達は間を置き、顔を見合わせる。

「でもね」
「うん」
「思い切って話しかけてみたら、私達と同じなんだってよく分かった」
「特に最近は、そう思うよ」
「みんな……」

初めて知った、クラスメイト達から見た自分。

初めて聞いた、学友達の本音。


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